iPhone 6 Plus用の首提げホルダーをレザークラフトしてみました。

iPhone 6 Plus を買ったので、今回は首下げホルダーを自作してみました。

ちなみにどうして iPhone 6 じゃなくて iPhone 6 Plus を選んだか?というと、以前触った Galaxy Note の画面サイズがなかなか気に入っていたから。

いよいよ iPhone も大画面の時代なんじゃないかなー。と思っていたので、悩むことなく Plus にしました。

実は iPhone 5s 時代も首提げストラップを使っていたのですが、今回は「レザークラフトでホルダーを自作」してみることにしました。

「レザークラフト」、なんて難しそうに聞こえるかもですが、実はほんの少しの根気さえあれば意外と簡単なモノです。

用意したモノ

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革と言っても色々な種類があり、どれにするか迷うかと思います。が、最初は「サドルレザー」「レザータン」あたりを選んでおくと良いでしょう。

上写真の肌色がサドルレザー。使い込んでいくにつれて味が出てきます。30 ✕ 30cmで¥2,000〜2,500前後です。

もっと安く済ませるなら、「グローブレザー」(上写真の巻物)という革が、例えば東急ハンズなら30cm ✕ 100cmで¥1,500前後で手に入ります。ただし、こちらは使い込むと味が出る、というよりも「汚れる」感じです。
サドルレザー・レザータンよりは柔らかく伸びやすいので、ちょっと寸法取りに失敗してもある程度ならカバーできます。

で、今回はサドルレザーを使って iPhone 6 Plus の首さげホルダーを作りました。

糸/縫い針/菱目打ち

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革を縫うための道具です。
一番右の「菱目打ち」で糸を通す穴を開けてから、そこを縫い針で縫っていくわけですね。
今回は四つ穴の「菱目打ち」を使いました。他にも1,2,3,6つ穴など、色々な種類があります。

ハトメ/カシメ/ボタン

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左から順に「ハトメ」、「カシメ」、「ボタン」です。

「ハトメ」は、金属の縁のある穴、を取り付ける部品で、ナスカンとかを引っ掛けるのに使います。
「カシメ」は「ハトメ」と違って穴がなく、革と革を貼りあわせたり飾りに使うもの。飾りでたくさん打っておくと、ちょっとパンクな雰囲気になります。
「ボタン」はいわゆるボタン。上の4つがホックボタン、下の4つがジャンパーホックボタンのセットです。ジャンパーホックのほうが留め力が強いです。

穴あけパンチ/ハトメ打ち/カシメ打ち/ボタン打ち

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左から順に「穴あけパンチ」、「ハトメ打ち」、「カシメ打ち」、「ボタン打ち」です。

「穴あけパンチ」はボタン、ハトメ、カシメを打つのにも必要になります。だいたい2mmから4mmくらいまでのサイズに対応できるタイプだと便利です。

そしてハトメ、カシメ、ボタンのそれぞれに専用の打ち道具が必要になります。しかもボタンは、ホックボタンとジャンパーホックボタンとで違う打ち道具が必要になってきます。

穴あけ台/トンカチ

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分厚いゴム製の穴あけ台です。これは、「菱目打ち」や「穴あけパンチ」などで穴を開ける際に下敷きにします。

トンカチは木製の木槌です。


これだけ揃えておけば手縫いのレザークラフトには十分と思います。

で、お値段ですが締めて一万円くらいでしょうか。
まあ、たいていのことに言えますが、「作るより、買った方が安い」(笑)。

それでもまぁ趣味の初期投資としてはお手頃と言えるんじゃないでしょうか。私は「釣り」も趣味ですが、それと比べたらこれくらいの初期投資は全然安い(笑)。

上記道具は東急ハンズで買えます。必要な物を買い漏れのないようにあれこれ選ぶのも楽しいものですが、Amazonなんかではスターターセットとかもあります。

↑これは本当に手縫い道具のみですね。ハトメ、カシメ、ボタンを付けることはできません。

↑こちらは手縫い用・仕上げ用のいろいろな道具が揃えられていますね。仕上げの綺麗さにこだわりたい人はこちらで道具を揃えるといいでしょう。私は荒削りな感じが好きなので仕上げはしておりません。

こちらもこのセットだけではハトメ・カシメ・ボタンは付けることはできません。

いざ、制作。

制作手順は、

  1. 出来上がりイメージをスケッチ
  2. 寸法取り/型作り
  3. 型抜き
  4. 型を基本に革を裁断
  5. 皮縫い・付属品取り付け
  6. 完成

という運びとなります。

イメージスケッチ

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拙いスケッチで恐縮ですが。出来上がりのイメージをスケッチしておきます。
今回は一度失敗作を作ってしまったので、その時のデータ(寸法)を書き込んでいますが、ちゃんとした寸法取りは次の手順で行います。

最終的にこのデザインから改造を加えたので「ボツ」と書いてあります。

寸法取り/型作り

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これは失敗作の寸法です。失敗作といってもiPhone6 Plusはちゃんと格納できます。

この寸法取りが一番大事で、これを失敗すると「作ったのにキツくてiPhoneが入らねぇぇぇ」とかそういうことになります。
ポイントは、iPhoneの厚さと、縫い待ちの寸法を考えること。私は正直、感覚でやってますがw
大きめに作っておけば問題無いと思います。

縫い待ちは、革の端から3mmで取ってあります。
iPhone収納部の「待ち」は、iPhoneの幅+12mmくらいで取ってあります。3mmの縫い待ちを加えて15mm。iPhoneの幅+15mmくらいで設計すれば問題なくiPhone6 Plusが収納できるサイズになるはずです。

革を縫うときに若干縮みますので、心配な人はもう少し広め(3mmくらい?)で設計しておくといいでしょう。

型抜き

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こちらは失敗作では無い方の型。成功作の寸法図面をなくしてしまいまして。。。一貫性が無くて申し訳ありません。
右の小さな部品は、ホルダーを吊るすためのハトメ穴を装着する部分です。

寸法取りした図面から、複製を作ってカッターで切り抜いて作ります。

革裁断

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型抜した型を元に、革を裁断します。型に合わせて革に線引し、そのとおりにカッターで裁断していきます。
裁断後、縫い待ち線(端から3mm)を革に線引しておきます。

革縫い・付属品取り付け

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縫い待ち線に添って、縫う部分を菱目打ちでトンテンカンと打って穴を開けていきます。
四つ目の菱目打ちの場合は、最初の4つを打ったら、次は四つ目のうち2つを、前回打った2つの穴に合わせて、2つずつ打ち進んで行くとズレ無く打つことができます。
革は二枚縫い合わせるので、重なる革もなるべく穴がずれることの無いように穴を打ちましょう。とはいえ、革は多少伸縮するので、1個くらい穴が足りなくても、縫うときになんとかリカバーできます。アバウトに行きましょう(笑)。

縫う部分の写真は…失念。
終端部分は、何度も何度も折り返し縫い、解けないようにします。
あとは、次の穴まで縫ったらもう一度一つ前の穴に戻して縫って・・・と、布と違って、行ったり来たり、縫い目が両面途切れる事のないように縫っていきます。

他、ハトメなりカシメなりを打ちます。

完成

出来上がりはこう。
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上の突起は頂点にハトメが付けてあり、ここにナスカンを繋げて首から提げられるようになっています。
突起自体は本体とカシメ3つで連結。(縫うのがめんどくさかったのとちょっとカッコよさも狙って)

縦提げだと長くなるので、横提げで、iPhoneは横から入れて、ホックボタンで留められる仕様にしてみました。

あとがき

ちなみにこちらが「失敗作」。
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iPhoneを横から入れるのではなく、上から入れるものです。が、たぶんしばらく使っていると、上の開口部がたるんでくる気がするんですよね。そういうことで個人的には失敗作となりました。

成功品も、ホックボタン留めが結局気に入らず、最終的にこういう形になりました。
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横の開口部からベルトを上に渡してジャンパーホックボタンで留める仕様。

いちど物を仕上げても、やっぱりこうしたいああしたい、と考え、それを何とか工夫することで成し遂げられるのが、レザークラフトの醍醐味ですね。

そんなわけで、愛用のPlantronicsのBluetoothヘッドセット(PLT-M165)のホルダーも作り、iPhoneホルダーに装着してます。こちらはグローブレザーで作りました。
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首から提げるとちょっと大きい。大柄な私でこうだから、小柄な方だと少し滑稽に映るかもしれません(笑)。
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腰から提げたほうがしっくり来ますね。江戸時代のキセル入れを下げてる感じ(とは言えキセル入れよりはかなり大きいですが)。
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それぞれ、ネックストラップと腰提げ用フックは以下のメーカーの物を使っています。
ネックストラップ↓

腰提げ用フック↓

このメーカー、以前当サイトでご紹介しまして、iPhone5sまで愛用していた革ケースのメーカーです。
きっとiPhone6, Plus用の首提げケースも発売されると思いますので、、、と思っていたら、iPhone6 Plus用ケースは近日発売のようで。
iPhone6用の手帳型ケースはすでに発売されているようです。


と、いうわけで、設計図に一貫性の無い記事を書いてしまいましたが、言いたいことは、

「自分の気に入るものを自分で作ってみたらどう?」

と言うことです。

いちど作ってしまうと勝手がわかるので、色んな物を革で包みたくなってきます。

しっかりと寸法を計って、仕組みを考えさえすればたいていのものは作ることができると思います。革だけで何とかするのではなく、内部に鉄製の芯を通して補強してみるとか、バネ材を使って開口部をどうこうするとか、世の中に出回っている革製品や、いろいろなものの構造を参考に、創造の幅を広げていくといいでしょう。

まるでプログラムみたいですね。

市販品に飽きてきちゃった人は、一度レザークラフトに挑戦してみてはいかがでしょうか?

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