last update 2016年5月31日 12:52

WEB地図で北極・南極の緯度85度以上が表示されない理由とは【Googleマップ・Bing Map】

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Google マップや Bing Map などのWEB系地図サービスでは、北緯・南緯とも約85度以上の極地を表示できないという事をご存知でしょうか。

通常、世界地図は南緯・北緯ともに90度まであるはずなのに、この5度の地図はどこへ消えてしまったのでしょうか。

試しに、Google マップで北緯89.58度付近を表示しようとしてみても、なぜだか、強制的に北緯85度付近が表示されてしまいました。
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bingマップでも、世界地図の果ては北緯85度付近となっています。
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どうしてこんなことが起きるのでしょうか?

その秘密は Google マップなどのWEB地図が、「WEBメルカトル」というメルカトル図法の亜種を採用していることにあります。

「WEB メルカトル」は、2005年に Google マップで初めて採用されて以来、Open Street Map、Mapquest、Bing Maps など数多くのWEB地図サービスで使われており、現在ではWEB上でデファクト・スタンダード(事実上の標準)となっている地図の投影法です。

WEBメルカトルの最も大きな特徴は、人が居住していない北極・南極近くの緯度約85.05113度より高緯度の表示をあきらめることで、世界を正方形と割り切り、インタラクティブ操作に特化した点にあると言えるでしょう。

厳密には、WEBメルカトルでは北緯・南緯それぞれ85.05112877980659度にマップタイルの端を設定することで、地球をコンピュータで扱いやすい正方形として定義しているのです。

WEBメルカトルはメルカトル図法との共通部分も多い投影法ですが、いくつかの欠点もあります。最も大きいのは、メルカトル図法の正角性が継承されていない点でしょう。

メルカトル図法は、別名”正角円筒図法”と呼ばれているとおり、等角航路を直線で書くことができる特徴を持っていますが、WEBメルカトルでは作図上の歪みにより、等角航路が必ずしも直線になるとは限りません。

しかし、WEB地図サービスにおいて、この性質が致命的となる場面はほとんど無いでしょうから、実用上、この点はあまり問題にならないわけです。

この他にも、地球は本来、解析的に解くのが難しい楕円体に近い形をしていますが、WEBメルカトルではそこからいったん球体に変換してから投射・作図しているなど、コンピュータで扱いやすくする工夫が色々となされています。

ふだん、何気なく使っている地図サービスに、こんな秘密が隠されていたなんて、なんだか面白いですよね。

Ingress という位置ゲーで地球上に引ける直線リンクなんかも、WEBメルカトルと厳密に地球上で測量したリンクとでは誤差が発生するケースも多いのだろうな。とかとか、色々と興味が尽きない話題と思います。

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