GPS精度の向上・高速化と、GPSを裏でONにしておけるアプリ「ActiveGPS」

 last update 2021年8月31日

Android の位置情報系アプリで GPS を掴むのが遅かったり、精度が向上するまで時間が掛かかったことはありませんか?

例えば、「Google マップ」で現在位置の表示が遅い・不正確だったり、また、位置情報ゲームのアプリの起動が遅かったり等。

今回は、この手のイライラを解消してくれるかもしれないいくつかの方法と、バックグラウンドで GPS をあらかじめON にしておけるアプリ「ActiveGPS」を紹介します。

位置情報の精度を上げるには、まずWi-Fi・BluetoothスキャンをONに

「ActiveGPS」の話の前に、まずは、スマホの位置情報の精度を上げる重要な設定「Wi-Fi・Bluetooth 位置情報の有効化」を確認しておきましょう。

これは、以下から設定・確認できます。

  1. Android の「設定」→「位置情報」→「精度を向上」を開く
  2. 「Wi-Fiスキャン」をONにする
  3. 「Bluetoothスキャン」をONにする

(※機種により設定名・場所は異なります。また、古い機種では「Bluetooth スキャン」が無い場合もあります)

この設定は、特に屋内・地下などの GPS の電波が届きにくい場所で効果が高いです。

また、SIM が挿さっているスマホなら、通常、自動で時計合わせされているはずですが、挿さっていない場合はスマホの時刻が正しいことも位置情報の精度に関係するので、こちらも確認しておきましょう。

これらの基本を押さえても、まだ GPS の掴みが悪い場合は、バックグラウンドで GPS を ON にしておける特殊アプリ「ActiveGPS」を使う方法があります。

バックグラウンドでGPSを温めておけるアプリ「ActiveGPS」

現在、一般的な Android アプリのほとんどは、位置情報が必要になって初めて GPS 測位データを取得するのが通例となっています。

以前はバックグラウンドで GPS を掴んでくれるアプリが数多くありましたが、2020年、Google がアプリによるむやみな GPS 位置情報の取得を規制して以降、そのような仕様のアプリは基本的に許容されなくなったからです。

これは、プライバシー保護やバッテリ節約の観点からは歓迎すべきポリシー変更でしたが、位置情報アプリをバリバリ使いこなすユーザーには不便なケースも出てきます。

そこでここでは、Google のポリシーに対応しつつ、バックグラウンドで GPS を温めておけるアプリ「ActiveGPS」を紹介します。

インストールはこちらから。

「ActiveGPS」って何?

「ActiveGPS」は、Google の厳しいポリシーに準拠しつつ、バックグラウンドで GPS を ON にし続けてくれる、ただそれだけの機能に特化したアプリとなっています。

Wi-Fi・Bluetooth 位置情報の整備が進み、Android OS やアプリ側も洗練された現在では、アプリ起動後、GPS 位置情報がなかなか Fix しないせいで使い物にならない、というシチュエーションはほとんど無くなりました。

しかし、Google マップやナビゲーション、位置情報ゲームアプリを1秒でも早く使いたい!とか、アプリ起動前に GPS 位置情報を 3D-Fix させておいて精度を追求したい!と思うことはままあります。

ActiveGPS は、そんな「秒単位でスマホ作業を効率化したい人」向けのアプリと言えます。

「ActiveGPS」の使い方

初回起動時のみ、位置情報へのアクセス許可を与える必要があります。

下図の画面になったら必ず「常に許可」をタップしてください。それ以外を選ぶと、バックグラウンドでの GPS 測位が行えないので注意です。

この設定さえ間違えなければ、ActiveGPS の使い方は簡単。

アプリを開いて、下のボタンを「ON」にするだけです。

一度「ON」にすれば、アプリを終了しても裏で GPS を掴み続けてくれます。

また、ActiveGPS が ON になっている間は、通知領域に通知が表示され続けます。通知をタップすれば、ActiveGPS のアプリを開けます。

また、アプリの左上にある歯車アイコンを開くと、

パワーモードを設定できます。初期値は「Medium」です。

試しに「Medium」設定のまま一晩置いてみましたが、思ったほど酷いバッテリー消費はありませんでした。

以前のイメージだと GPS はバッテリー喰いの印象でしたが、これなら用途に応じて「High」に切り替えても良いかもしれません。

GPS捕捉が遅い場合は「A-GPS」の更新も

ActiveGPS は事前に GPS を温めておくだけのアプリで、GPS の捕捉を高速化するわけではありません。

高速化が目的なら、A-GPS 情報の更新も試してみると良いでしょう。

ちなみに A-GPS というのは、GPS 衛星の軌道データをネット経由で取得することで、GPS 信号の拾いを早くする技術です。

これは具体的には、GPS Test というアプリなら「メニュー」 → 「AGPS」 → 「Clear and update」 から更新できます。

以前は「GpsFix」というアプリを勧めていました

同様のアプリとして、以前は「GpsFix」というアプリを勧めていましたが、いつからか「GpsFix」からは裏で GPS を温めておく機能は無くなってしまいました。

gpsfix2

現在、アプリによるバックグラウンドでの GPS 位置情報取得は、それ自体を主機能とするアプリでなければストアから削除される厳しいポリシーが定められています。

「GpsFix」の機能削除は、このポリシーへの準拠を意識したものと推測されます。

いずれにせよ、過去の GpsFix よりも ActiveGPS の方が専用アプリということで使い勝手も良いですし、また、位置情報確定後も継続して GPS を掴み続けてくれるため、オススメです。

GPS関連の読みもの

もともと GPS 衛星コンステレーション米空軍第50宇宙航空団が運用する軍事システムで、それを民間でも利用している、という側面があります。

そのため、2000年前後には中東戦争やコソボ紛争の影響で GPS が安定しなくなり戦争を実感した、という体験談をご年配の方から聞いたことがある人もいるかもしれません。

最近は、GPS 精度を地域単位で意図的に落せるシステムが運用されているとかいないとかで、GPS 精度で戦争・紛争を実感する事はなくなったように思います。

また、GLONASS、BeiDou、Galileo、みちびき等、米国以外が運用する測位衛星も増え(これらを総称して GNSS - Global Navigation Satellite Systems と呼びます)、スマホ側の対応も進んだことから、GPS は暮らしの道具としてかなり安定して使えるようになりました。

ということで、技術的に興味深い話の多い分野ということで、古めの記事ですが GPS 関係の読み物へのリンクを貼っておきます。

※ もともとアプリ「GpsFix」に関するかなり古い記事でしたが、今回、同じ目的で使える「ActiveGPS」の記事として全面リライト。新記事扱いとしています。

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GPS booster - Google Play「ActiveGPS」って何?「ActiveGPS」は、Google の厳しいポリシーに準拠しつつ、バックグラウンドで GPS を ON にし続けてくれる、ただそれだけの機能に特化したアプリとなっています。Wi-Fi・Bluetooth 位置情報の整備が進み、Android OS やアプリ側も洗練された現在では、アプリ起動後、GPS 位置情報がなかなか Fix しないせいで使い物にならない、というシチュエーションはほとんど無くなりました。しかし、Google マップやナビゲーション、位置情報ゲームアプリを1秒でも早く使いたい!とか、アプリ起動前に GPS 位置情報を 3D-Fix させておいて精度を追求したい!と思うことはままあります。ActiveGPS は、そんな「秒単位でスマホ作業を効率化したい人」向けのアプリと言えます。「ActiveGPS」の使い方初回起動時のみ、位置情報へのアクセス許可を与える必要があります。下図の画面になったら必ず「常に許可」をタップしてください。それ以外を選ぶと、バックグラウンドでの GPS 測位が行えないので注意です。この設定さえ間違えなければ、ActiveGPS の使い方は簡単。アプリを開いて、下のボタンを「ON」にするだけです。一度「ON」にすれば、アプリを終了しても裏で GPS を掴み続けてくれます。また、ActiveGPS が ON になっている間は、通知領域に通知が表示され続けます。通知をタップすれば、ActiveGPS のアプリを開けます。また、アプリの左上にある歯車アイコンを開くと、パワーモードを設定できます。初期値は「Medium」です。試しに「Medium」設定のまま一晩置いてみましたが、思ったほど酷いバッテリー消費はありませんでした。以前のイメージだと GPS はバッテリー喰いの印象でしたが、これなら用途に応じて「High」に切り替えても良いかもしれません。GPS捕捉が遅い場合は「A-GPS」の更新もActiveGPS は事前に GPS を温めておくだけのアプリで、GPS の捕捉を高速化するわけではありません。高速化が目的なら、A-GPS 情報の更新も試してみると良いでしょう。ちなみに A-GPS というのは、GPS 衛星の軌道データをネット経由で取得することで、GPS 信号の拾いを早くする技術です。これは具体的には、GPS Test というアプリなら「メニュー」 → 「AGPS」 → 「Clear and update」 から更新できます。GPS Test - Google Play以前は「GpsFix」というアプリを勧めていました同様のアプリとして、以前は「GpsFix」というアプリを勧めていましたが、いつからか「GpsFix」からは裏で GPS を温めておく機能は無くなってしまいました。現在、アプリによるバックグラウンドでの GPS 位置情報取得は、それ自体を主機能とするアプリでなければストアから削除される厳しいポリシーが定められています。「GpsFix」の機能削除は、このポリシーへの準拠を意識したものと推測されます。いずれにせよ、過去の GpsFix よりも ActiveGPS の方が専用アプリということで使い勝手も良いですし、また、位置情報確定後も継続して GPS を掴み続けてくれるため、オススメです。GPS関連の読みものもともと GPS 衛星コンステレーションは米空軍第50宇宙航空団が運用する軍事システムで、それを民間でも利用している、という側面があります。そのため、2000年前後には中東戦争やコソボ紛争の影響で GPS が安定しなくなり戦争を実感した、という体験談をご年配の方から聞いたことがある人もいるかもしれません。最近は、GPS 精度を地域単位で意図的に落せるシステムが運用されているとかいないとかで、GPS 精度で戦争・紛争を実感する事はなくなったように思います。また、GLONASS、BeiDou、Galileo、みちびき等、米国以外が運用する測位衛星も増え(これらを総称して GNSS - Global Navigation Satellite Systems と呼びます)、スマホ側の対応も進んだことから、GPS は暮らしの道具としてかなり安定して使えるようになりました。ということで、技術的に興味深い話の多い分野ということで、古めの記事ですが GPS 関係の読み物へのリンクを貼っておきます。GPS と電波航法システム※ もともとアプリ「GpsFix」に関するかなり古い記事でしたが、今回、同じ目的で使える「ActiveGPS」の記事として全面リライト。新記事扱いとしています。 " ["speakable"]=> array(2) { ["@type"]=> string(22) "SpeakableSpecification" ["xpath"]=> string(45) "/html/head/meta[@name='description']/@content" } }