1リットルで2グラム。超低密度の液体を東大研究チームが発見

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1リットルで2gという、自然界で最も低密度の液体を東大研究チームが発見したようです。

液体の水が1リットルでおよそ1kg(1,000g)ですから、ちょっと想像のつかない軽さといえますが、これは一体どういう事なのでしょう。

プレスリリースによると、グラファイト表面への吸着により2次元空間に閉じ込めたヘリウム3の単原子層膜が、絶対零度まで10分の1度以下~千分の2度の超低温で液体となる事を発見した。との事。

一般的に、気体は冷却すると液体に凝縮し、さらに冷却することで個体に凝固しますが、理論上、2次元空間に閉じ込めたヘリウム3は、絶対零度でも安定状態として気体にとどまる唯一の候補として考えられていた中、理論計算の予想を覆す実験結果が得られた。という話のようです。

今回の発見により、量子系の相転移に関する理論がより磨かれることになるのかもしれません。

平面の上に単原子を平らに閉じ込めた場合の話なので、3次元的に器に貯めるイメージとは異なりますが、単純な密度としては、水が1リットルでおよそ1kg液体窒素が1リットルあたり807g、そして、これまで知られていた中では自然界で最も密度の低い液体である液体水素が1リットルあたり70.8g(20K時)というのに比べ、1リットルあたり2gというのは、ちょっと想像がつかないくらい段違いに低密度の液体と言えそうです。

何かワクワクするものを感じてしまう密度の話ではありますが、その後ろには、コツコツと理論と実験を積み上げてゆく科学者の姿も垣間見え、なかなか興味深い話と思います。

関連ページ:Fukuyama Lab. / Top page

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