au版iPhone 5のLTEサービス優良誤認への措置命令と、実エリアの狭さについて

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詳しい人の間では既知の件ではありますが、au 版 iPhone 向け LTE サービスの優良誤認について、やっとこさ、消費者庁から「景品表示法に基づく措置命令」が下りまして、私もユーザーとして人ごとではない、という事で触れさせていただきます。

Android・iPhone でエリアが違う au の LTE

その前に、au の LTE サービスの現状についておさらいしておきましょう。

au の LTE はこれまで、Android 向けには 800MHz / 1.5GHz 帯を、iPhone 5 向けには 2.1GHz 帯を、と、周波数帯を分けてサービスを提供してきました。

今回の措置命令は、周波数帯によりLTEのサービスエリアの整備状況が大きく異なるにも関わらず、iPhone 5 で Android 向けのサービスエリアが利用できるかのように誤認させる表示をしていた事に対して行われた、という側面も含まれているようです。

周波数帯の区別に関しては、先日発表された2013年夏モデルの Android 機以降からは 2.1 GHz 帯にも対応するとの情報もあり、今後は周波数帯による区別はなくなっていくものと思われますが、iPhone 5 についてはハードウェア上の制約もあるため、LTE は 2.1GHz 帯のみ、という状況に変わりはなさそうです。

大規模調査で明るみになった au のLTEエリアの狭さ

au の LTE エリアの評判は大きく2つに分かれており、800MHz / 1.5GHz 帯 LTE が使える Android 機ではユーザーの評判も上々。2012年度末の公称人口カバー率は約96%と、エリア整備は急速に行われました。

しかし、2.1GHz 帯 LTE しか使えない au 版 iPhone では、この広大な LTE エリアの恩恵を受けられず、特に地方では面でなく点でしかエリアがないところも多い状況です。

実は現在も、au は iPhone 5 向けのLTEサービスエリアを地図の形では公表していません。

筆者の実使用感からも、特に地方では、とてもエリアマップを公表できる状況ではないのだろう、と、推測しておりますが、実は au のLTEエリアの実態を調査の上、その惨憺たる状況を指摘している会社さんがあります。

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株式会社Agoop はソフトバンク傘下の企業であり、情報の解釈には慎重さが必要ではありますが、個人的にこの情報はそれなりに納得のいくものであり、実態を概ね正しく捉えているのではないか、と考えています。

使い心地に関して苦言を呈したい

さすがに最近は 2.1GHz 対応基地局の設置も増えましたが、中途半端に LTE が使えるエリアが増えたせいで今度はパケ詰まりが増え、それはあたかも、2GHz 帯しか使えずエリアが薄かった頃の Xi を思わせるような、「イライラする使い心地」と評して差し支えない状況になっている、と、エリアによっては思うわけであります。

通信方式の違いやエリア整備の長期計画との整合など、企業として考えなければならない事が多い中での iPhone 5 導入ということで、多少は思うところがないわけでもありませんが、1年前ならともかく、今はもう、「iPhone だから回線悪くてもしょうがないよね。」という時代でもないわけで、このままの品質が続くようだと、au 版 iPhone に対する世間の評判はなかなか厳しいものになりそうな気がして気がして。

iPhone 5S になるか iPhone 6 になるかは分かりませんが、次期 iPhone で LTE の対応周波数が増える事を見込んでのこういう施策だった。という話しになると、au 版 iPhone 5 はハズレ機種だった。と後世から評価されても仕方ないかもしれません。

あと、これはまったく関係のない邪推ですが、なんとなく、夏モデルの発表会をネット中継しなかった背景には、この件が関係してそうな…と勘ぐってしまったりも。

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