【Ingress】XM Anomaly Shonin京都でのエンライテンドの勝因は巨大CFではなかった #shonin

 

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実世界を舞台にしたスマホ向け陣取りゲーム「Ingress」の話題です。

先の2015年3月28日に開催された Ingress の超大型イベント「XM Anomaly Shonin Kyoto(証人 京都)」には、公式発表によるとなんと5,600人(!)が参加したとの事ですが、そこでなぜエンライテンドが勝つことができたのか、その勝因に迫ってみたいと思います。

今回の XM Anomaly Shonin Kyoto では、エンライテンド(緑陣営)が構築した、ロシアのカムチャッカ半島~台湾~八丈島を結ぶ巨大なコントロールフィールド(CF)が各所で話題に登りました。

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これだけの長距離リンクを通すまでの下準備や、影で何人のエージェント達がこの作戦を支えていたのか、を想像すれば、この偉業に注目が集まるのは当然です。実際に敵であるレジスタンス勢からも、この巨大CFにはさすがに賞賛の声が上がっていました。

しかし、純粋に XM Anomaly Shonin Kyoto での勝敗だけを考えるなら、この巨大CFはエンライテンド(緑)最大の勝因ではなかったのです。

XM Anomaly Shonin 京都のスコアを分析する

まずは、XM Anomaly Shonin のプライマリサイトだった京都における、両陣営の獲得ポイントを見てみましょう。

結果は以下のとおり。エンライテンド(Enlightened)の圧勝となっています。

  • レジスタンス(青):1,198ポイント
  • エンライテンド(緑):4,214ポイント

しかし、クラスタ(計測対象ポータル群)全体を覆いつくすようなストラテジックフィールドにより獲得できるポイントは、1計測区間(10分間)当たりわずか200ポイント。計測区間は計4回ありましたから、仮にそのすべてを取れたとしても合計800ポイントにしかなりません。

今回、緑と青の得点差は3,016ポイントもあったわけですから、先に挙げた巨大CFよりも大きな勝因が他にもあったことは明白です。

では、何が勝敗を分けた最大の要因となったのでしょうか。

各計測区間ごとの成績明細を見ると…

ではここで、計4回行なわれた10分間の各計測区間(Measurement)ごとの、両陣営の獲得ポイントの内訳を深堀りしてみましょう。

M1M2M3M4
REGENLREGENLREGENLREGENL
ポータル獲得数
(2pt)
53953758471114379
ボラタイル
ポータル獲得数
(6pt)
3632163142413439
作成済リンク数
(10pt)
0000045121
維持CF数
(20pt)
000001140
ストラテジック
フィールド
(200pt)
×××××
合計ポイント3225821705023467283602402

この表によると、エンライテンドが第4計測区間(M4)において、1本で10ptを獲得できるリンクと、1つ当たり20ptを獲得できるコントロールフィールド(CF)を大量獲得したことが最大の勝利要因だったことが見て取れます。

※記事最後のリンク先の Ingress公式Google+ では、さらに詳細な各ポータルごとの獲得状況や、より高得点なボラタイルポータルの確認まで可能です。

リンク・CFを予め構築していた第4計測区間のエンライテンド

さらに、各計測区間ごとの計測タイミングと対象ポータル数は次の通りでした。

計測区間計測時点(日本時間)計測対象ポータル数
Measurement 15分13秒(14時5分13秒)230
Measurement 27分20秒(15時7分20秒)150
Measurement 33分34秒(16時3分34秒)254
Measurement 41分19秒(17時1分19秒)209

※ポイント加算の対象は、計測時点において獲得・維持できていたポータル・リンク・CFなどだけです。

ここでの注目は第4計測区間(Measurement 4)です。

これを見ると、なんと、計測区間が始まってわずか1分19秒後が計測ポイントだったにも関わらず、その時点で、すでにエンライテンドは高ポイントが狙えるリンクとCFを相当数構築済みだった、という事実が浮かび上がってきます。

さらに、第4計測区間でエンライテンドが保持していたポータル数は計118。にも関わらず、対象ポータルが絡むリンクを121本も張れていた。というのは、計測開始前にポータルを制圧するだけでなく、リンクまで張っておくという組織だった作戦の存在を示唆しており、それが功を奏した、と見て間違いなさそうです。

そして、この第4計測区間で、エンライテンドがリンク・CFを合わせて獲得できたポイントは実に2,010pt。これで、3,016pt もあったレジスタンスとの点差の大部分が説明できるわけです。

巨大CFが無くなってからの方が強かったエンライテンド

エンライテンドは、第1~第3計測区間までの計3回に渡り、京都のクラスタ全体を緑CFで沈めることに成功し、結果、各回200pt、計600ptを獲得できました。

しかし、Ingress には、「CF内に沈んだポータルからは新規リンクを張ることが出来ない」という基本ルールがあります。

これはつまり、京都が巨大CFの中に沈んでいる限り、レジスタンス・エンライテンドの両陣営とも新規リンク・CFを構築できない。ということを意味します。

エンライテンドが当初から、第4計測区間でのみリンク・CFを構築する計画だったのか、それとも、巨大CFが解除された場合のいわゆる「プランB」として、各計測区間それぞれで京都クラスタ内でのリンク・CF構築を計画していたのか、は、現時点では分かりません。

しかし、いずれにせよ、結果として巨大CFが解除され、クラスタ内で新規リンクを張れるようになってからの方がエンライテンドは強かった。というのは紛れも無い事実です。

それにしても、リンクとCFのポイントをこれだけ取れた。というのは凄いことと思います。事前の鍵集めも必要ですし、リンク先ポータルの保守まで踏まえた計画と陣容まで必要となるわけですから。

そう考えると、第4計測区間に絞って計画していた…。という気もしなくないような…。

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どうであれ、今回のエンライテンドの計画は非常に良く練られたものであり、さらに、それを遂行できるだけの頭数と実力まで兼ね備えていた。という事だと思います。

僕はレジスタンス陣営ですので、こう書くと、読む方によっては思うところがあるかもですが、「今回の京都でエンライテンドは勝つべくして勝った」というのが、僕視点で見た今回の Shonin Kyoto の景色ではあります。

もちろん、青は青で非常に頑張っていました。京都を覆う巨大CFの先手はレジスタンス側でしたが、その舞台裏では相当数の青エージェントの動きがありました。また、あれが青には精一杯の巨大CFだった、と考えるならそれは非常に甘い考えで、話題になった緑の超巨大CFも、実は国家間レベルの巨大CF攻防戦の末に作られた。なんてシナリオにも考えが及ばなきゃいけないわけです。

そういう意味では、今回の Shonin 03 Kyoto も結局は巨大CF戦だったんじゃ。という気もしてきて、結局、この記事のタイトルと合わないね。という話しにもなりそうですが。

それでも、対象アノマリーポータルが明らかになったのが、Shonin 03 Kyoto の2日前の昼。という直前で、両陣営の本部が時間に追われる中、エンライテンドのあの第4計測区間のリンク・CF作戦が実はどのように準備されていたのか、を想像するに、また、Darsana Tokyo 時には存在しなかった AXA シールドをエンライテンドはよく活かせた、という点ひとつ取っても、やはり、Enlightened は Enlightened らしかったし、Resistance は Resistance らしかった。そんな気がしてならないのです。

Ingress の生みの親であるジョン・ハンケ氏は、アフターパーティのスピーチの中で、年末に我々は再び帰ってくる。そこで最大の戦いを行う。と表明しました。

Ingress はちょっとしたパラメータの違いで大きくその姿を変える奥深さを持ったゲームであります。年末に再び起こるであろう国内での XM Anomaly でも、きっとまた、Ingress は我々に新しい世界を見せてくれるに違いありません。

そしてその時、変化をより的確に捉えることができるのはどちらの陣営になるのか、今から楽しみです。

※この記事は、現時点ですでに明らかにされている情報と、そこからの推測という範囲でのみ書かせていただいております。

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