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ブラザーのインクジェットプリンターを1年使ってみた感想【長期使用レビュー】

 last update 2024年3月27日
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なんだかんだで無くならない紙の書類。当然、プリンターも無くならないわけですが、家庭用プリンターってのは異常に壊れやすくてですね、愛用していたキヤノン製品なんかは、大して使ってもいないのに、だいたい2年おきに訳の分からない異常エラーを吐いては買い替え。ってのを繰り返す有様。

で、昨年、やっぱりというかなんというか、引越し直後の忙しい最中に、キヤノンのプリンターが修復不能なエラーを吐いて壊れましてですね、さすがにキレて買い換えたのがブラザーのインクジェット複合機「DCP-J963N」という機種でした。

みなさんもそうだと思うんですが、プリンタのメーカーを変えるのってけっこう勇気が必要なんですが、意外や意外、これがなかなか満足度が高くて成功だったんです。

ということで、似たような境遇の人向けに、ブラザーのプリンターを長年使った感想を、長期レビューという形でお届けします。

(※ 2024/3/27 この記事は2017年5月に公開したものですが、このプリンターは現在でも問題なく使っています。あまりに壊れないので流石にそろそろ買い替えを検討中です。商品リンク張替えで記事更新。)

「プリンターに良心を」を求めるならブラザーかな

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僕にとって、プリンターってのはなんともムカつく存在で、出来ることなら使いたくない機器。良心的じゃないというか、メーカーにバカにされているというか、とにかくそんな風に感じる、嫌な存在でした。

例えば、僕がこれまで使ってきたキヤノン製品だと、新インクが発表されるごとにインク量が減り続けたりとか、しまいには、昔の標準インクと同じ容量の大容量インクが出たりとか、もう、やりたい放題。

複合機と言いながら、プリンタ周りの機能に支障があるとスキャナ機能まで使えなくなるとか、基本的に意地クソが悪い。そう、インクが無くなるとスキャンができなくなるんですよ。機種によっては回避策もあるらしいのですが、忙しいときに「何してくれんねん」という感じなわけで。

とにかく、終始そんな塩梅で、なんというか性根が腐ってて、信頼できるパートナーにはなりえない。付き合いきれない。そんな印象が拭えないのが家庭用プリンタというものだったわけです。

で、今、ブラザー製品に乗り換えて1年経ってみて、一番何が変わったか、といえば、その手の理不尽な事が少ない「良心的なプリンター」だね、という点。とにかくこれ。

そりゃあ、細かい性能を比較すれば、カタログスペック上は劣る部分も少なくない。だけど、安価なネットプリントもあるこのご時世、オーバースペックな画質って、もう要らないと思うんだよね。

そういう意味で、ブラザー製品はバランス感覚に優れている。あとは、誠実で合理的な作りも、長期で使った時の好印象につながってる。そんな感じ。

兎にも角にも、価格と機能と性能のバランスの良さ。これが、僕がブラザー製品を1年使った率直な感想ということになります。

画質は得意・不得意がある。最高画質モードは印刷が遅め

とはいえ、プリンタを買うなら絶対にココは譲れない、という点がある人もいるでしょうから、いくつか、諦める必要がある点について書いておきます。

まず1点目は、画質です。

特に、写真印刷や文書のカラー印刷は、エプソン・キャノンの上位機種と比べると、絵柄や色によってけっこう得手不得手が出る印象があります。

より具体的には、キレイに出力できる色もあるのだけど、苦手な色に当たるとザラザラする感じ。店頭サンプルでは苦手なパターンを避けている場合もあるので、この辺が気になる人は確認しておいた方がよいかも。

画質に関しては、染色系のカラーインクが3色しかないとか、インクの最小吐出量が1.5plとやや大きめなことが原因なので、仕方ない部分はある。ただ、これらは、1色あたりの搭載インク量を増やせるから本体サイズを小さくできる、とか、1枚当たりの印刷コストを抑えられるとか、あと、目詰まりしにくくなる、とかの本機の魅力も作り出している部分なので、これはバランスの問題でもあるわけです。

急ぎの印刷なら本機で出力すればいいかな、と思えるくらいの画質はあるし、もっと画質が必要なら、今どき、ネットプリントを使えば良いわけで、そういう割り切りができるなら、実務上は気にならない。むしろ、僕なんかは、4色インクでこれだけ印刷できれば十分じゃん。とすら思っちゃう。

どうにも画質にこだわりがある人にはオススメしないけど、そうでないなら必要十分。そういう面白いラインの画質だと感じます。(実際、引越しハガキはこのプリンタで印刷しましたが、特に不満はありませんでした。)

そして、2点目の諦めポイントは、むしろこっちの方が気になる人が多いかもしれない、最高画質時のモノクロ印刷の遅さです。

印刷品質が「普通」のままなら印刷速度に不満はありませんが、1点目で挙げた画質の理由から、キヤノン、エプソン製品から乗り換えた人だと、恐らくは「最高画質」を多用したくなるんじゃないかなぁ、と思うんですよ。

でも、「最高画質」の印刷速度はかなり遅い。まぁ、他社のプリンタでも最高画質のスピードはそれなりに遅いんだけど、特に文書の印刷で他社と画質を合わせようすると、どうしても「最高画質」を使いたくなる。

他社製品の場合、今どき、モノクロ文書印刷の速さとキレイさってけっこう両立できていると思うんだけど、似た画質で出力しようと思うと、感覚値で2倍くらい時間がかかる印象です。

家庭用のプリンタで頻繁に大量印刷する人はいないとは思うけれど、ここは注意ポイント。モノクロ文書の大量印刷に速度を求める用途は、画質をあきらめるか、他の機種にすることを検討した方が良いと思います。

というか、インクジェット使うなよ、という用途のような気もしますが…。

とりあえず、この2点だけ諦めが付くなら、他は不満に思う部分は少ないか、使っているうちに慣れてくる部分と思います。

ADF付きスキャナは思った以上に便利

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ブラザーのインクジェット複合機は、安価な割にADF(自動原稿送り装置)が付いていることのも魅力です。何を隠そう、僕も、ADFが欲しくてブラザー製品を選びました。

ADFがあれば、原稿の連続スキャンができる。標準では片面スキャンのみですが、工夫すれば両面スキャンもできなくはありません。

傾き修正などの機能が不足しているので、本を分解して電子化する。といった本格的な用途には物足らない部分もありますが、今まで1,000ページ以上のペラ紙文書をスキャンした感じだと、紙送りのトラブルもゼロ。少なくとも、ファームウェアとソフトウェアのアップデート後は、これといった問題もありませんでした。

ちなみに、スキャンしたPDFを直接 Google Drive や Dropbox に送る機能もあります。業務用の複合機みたいな機能がこの金額で手に入っていいの?と思わず嬉しくなってしまいます。

クラウド連携の機能は、多少重めですが、いずれにしてもこの値段でよくここまでやってるなぁ。と感じる機能と思います。

インクの持ちは良い

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この1年、引越しハガキを印刷したり、資料を印刷したりと、今までよりも印刷する機会は多めだった我が家ですが、そんな中でも、インクの減りは明らかに少なかったと感じます。

モノクロ印刷が多いこともあり、さすがに数ヶ月前に黒インクは交換しましたが、今でも、出荷時に付いてきたインクのうち、赤と青は残っている状態です。

インクの交換も楽で、プリンタヘッドのある部分を開けるのではなく、インク交換専用口が前面にあるのも便利です。

他社のプリンタとは結構作りが違う

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合理的であるが故だと思うんですが、他社のプリンタとは細かい部分の作りが結構違うので、最初はマニュアルを見る機会が結構あると思います。

例えば、CD/DVD のラベルプリントの仕方とかもちょっと変わっていたりとか。

慣れれば全く不満はありませんが、最初は、未知の道具を触る不安感みたいなものがあったことを覚えています。(僕は保守的ですからね)

最初は感じた細かい部分の作りの甘さも、慣れれば気になりません。ただ、いちおうエクスキューズとして触れてはおいたほうがいいかなー。と。

画質とスピードの両立は苦手だが、バランス感覚に優れた良心的プリンター

まとめの前に、僕のプリンター遍歴をお話しておきましょう。

もともと、僕は画質重視ってことでエプソン党だったのですが、どうにもインクが目詰まりしまくってヘッドクリーニング用のインク代が嵩むってことで、3台くらい乗り換えたあとに、たまらずキヤノン党に転身。その後、3機種ほどキャノン製品を乗り換え続けました。(最後に使った機種は「MG5430」でした)

ただ、キヤノンってインクの目詰まりはしないんだけど、だいたい数年でプリンタヘッド関連のエラーが出て壊れちゃう。で、エラーが出ると、印刷だけでなくスキャナも全部死ぬ。という不親切設計。あと、肝心のインクの減りも速いしインクも高い。ってことでいろいろと大変な目にあって、今回、ブラザー製品に逃げたわけです。

けっこう前に「プリンターに第三の選択肢」みたいなキャッチコピーで拡販していた記憶があるブラザーのプリンターですが、正直、もう家庭に家庭用プリンタを置くのはもうやめようか。と本気で考えていた僕にとって、ブラザー製品は第三の選択肢ではなく、「もう少しだけ家庭用プリンタを信じてみよう」と思える、唯一の選択肢だったわけです。

すっかり典型的レモン市場と化してしまった感のある家庭用プリンタの世界。そんな中でも、頑張ってる会社さんがあるんだよ。ということで、全てがべた褒めというわけではありませんが、用途に合うなら、実用品としてバランス感覚は悪くないよ。という感じでオススメしておきます。

あとがき:ブラザーさんは、「プリンターに良心を」という売り文句で売ったら、けっこう心に刺さる人、少なくないと思うんだけど。

※ こちらのプリンター、やはり名機だったようで、2024年現在でも似た仕様の標準モデルが販売されているので商品リンクを貼っておきます。

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この記事へのコメント(1件)

  1. エトセトラ says:

    6年前

    私もキャノンのインクの高さとヘリの早さにたまりかねてブラザーJ983Nを購入しました、ランニングコストが半分になりインクも安く助かってます、おしゃる通り画像はいまいちですが十分満足出来る画像でした

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