【単3】電圧が1.5Vの充電池を探せ【単4】

close up of alkaline batteries

アルカリ電池などの一般的な乾電池の公称電圧1.5Vですが、例えば同じ単3でも、エネループなどの充電池は電圧が1.2Vと少し低めになっているのをご存知ですか?

「え、でも充電池も普通に使えてるよ?」という方がほとんどかと思いますが、それは、乾電池向け機器の多くが、低い電圧の電池でも動作するように設計されているから。

通常、乾電池は残容量が少なくなると電圧が大きく下がる特性を持っていますから、電圧が下がったくらいで動かないようだと、そもそも乾電池でもすぐに動かなってしまうのです。

とはいえ世の中には、公称電圧1.2Vの充電池では電圧不足で動作しないというシビアな機器も少なからず存在しています。

今回は、その手の電圧降下にシビアな機器でも充電池を使えるようにするため、

  • 電圧が1.5Vくらい出て
  • 繰り返し充電できて
  • 単3・単4の乾電池の形をした製品

を探してみることにしました。

電池の電圧は素材で変わる

と、その前に、基礎知識として "電池の電圧は素材によって決まる" という知識について、簡単ですが触れておきます。

僕らが普段、"乾電池" と呼んでいるアルカリマンガン乾電池やマンガン乾電池は、正極や負極や電解液の材料特性から、その電圧は概ね1.5Vとなっています。

一方で、エネループなどのニッケル水素電池の場合、繰り返し充電できる素材を使う代わりに、電圧が1.2Vと低くなってしまっているのです。

つまり、電圧が1.5Vの充電池を探すには、

  • 充電できて、かつ1.5V出せる素材を使用した製品
  • 昇圧・低圧回路(DC-DCコンバータ)を充電池に内蔵して、出力を1.5Vに変換できる製品

のいずれかの製品を探す必要が出てくるわけです。

ということで、ここではさっそく、その具体的な製品の例を見ていくことにしましょう。

ニッケル亜鉛電池(NiZn)

ニッケル亜鉛電池は、公称電圧1.6Vの二次電池です。

現在では、日本国内ではほとんど販売されていませんが、一部の通販サイトや海外を調べると、乾電池と形状互換のある製品が今でも販売されています。

公称電圧は少しだけ高めですが、アルカリ電池でも使い始めなら1.6V前後は出ているので、電圧が近いから NiZn でも動くっしょ。という感じのノリの製品になります。

ただし、NiZn も公称電圧こそ1.6Vですが、満充電時は1.8V以上出るため、機器を破損してしまうリスクが無いとは言えません。

NiZn 電池は、エネループのようなニッケル水素電池とは放電特性も違うため、大電流が必要な用途には向きません。また、これは NiZn に限りませんが、専用充電器が必要になる点も注意が必要です。

最近はほとんど聞かなくなりましたが、かつてはカメラのフラッシュのチャージに使われるケースもあったような。いずれにしても最近はあまり聞かなくなった電池です。

降圧回路内蔵リチウムイオン電池

スマホやモバイルバッテリーなどでおなじみのリチウムイオンバッテリーですが、その技術を使いつつ、形状だけを単3や単4にした製品も、一応ですが、存在してはいます。

リチウムイオン電池には何種類かの素材があり、それぞれ電圧もまちまちです。が、一般的な公称電圧は概ね3.6~3.7V前後となっています。

これは、そのままでは単3・単4電池として使うには高すぎる電圧なのですが、電池内部に1.5Vへ降圧する回路を内蔵してしまうことで、爆誕したのがこちらのような製品。

さぁ、若干の変態感が漂ってまいりました。

なお、ご存知のとおり、リチウムイオン電池はけっこう危ない素材で出来ていますので、この手の製品はけっこう注意。知る限り、少なくとも国内では大手メーカーはこんな危ないものは作っていません。また、大電流が必要なケースでは、内蔵DC/DCコンバータの性能限界によって電流量を制限される可能性もあるので、その辺にも注意が必要となります。

あと、多分同じアプローチの製品ですが、最近、米国 Amazon でもちょくちょく1.5V出力のリチウムポリマー充電池を見かけます。

こちらも同様に降圧型のDC/DCコンバータを内蔵している充電池と思われますが、国内で入手可能なものに比べて大容量なのが魅力。

ちなみに、この手の製品は、使っていないときも内蔵DC/DCコンバータが微妙に電力を消費するケースがあるという話しも聞くので、充電しておいてすぐに使うという用途には向いていないと思います。

関係ないですが、この手の製品を買う場合は、充電できないタイプのリチウム乾電池なんてものもあるので、間違えないように注意が必要です。

充電式アルカリ電池

ここまでとはちょっと違うアプローチになりますが、公称電圧1.5Vのアルカリ電池の中には、なんと充電可能とうたっているものも存在します。

一般的な充電池と比べて充電可能回数はかなり少なめですし、電圧も使用状況によって不安定ですが、概ね、数十回程度の充電・再利用と1.3V強の電圧が得られる製品になります。

ただし、現在ではこの手の製品はあまり一般的ではなく、細かいことや製品の販売サイトなどについては書きません。

基本的には普通のアルカリ乾電池だけども、封入が厳重になっており、物理的に充電に耐えられる。というアプローチの製品が多いようです。

逆に言えば、普通のアルカリ電池でも少ない回数なら充電できる。と考えている強者もいるようですが、オススメできないのは言うまでもありません。危ないです。

まとめ

国内だと、この手の製品は、わりかし怪しい販売者が扱っているケースが多いので、色々と自己責任でお願いしたい内容の記事になっています。

あと、容量表示なんかも一般的な mAh ではなく、mWh となっていることもあって、計算してみると少ねぇじゃん。なんてこともあって笑っちゃう感じ。そういう世界だと認識しないと足を踏み入れた途端にやばい。そういう感じです。

個人的には、米国Amazonで売られているリチウムイオンタイプの1.5Vバッテリーがとてもとても気になる感じなので、そっちを試そうかなー。と。AAA(単4)であれ AA(単3)であれ、容量に関しては、多分、ウソな気がしますが、それでも国内でよく売られてるタイプよりは容量が大きそうなんだもん。

参考資料:

この記事へのコメント(5件)

  1. 通りすがり says:

    4年前

    乾電池が1.5V維持できるのはほんの短時間で、負荷をかければ、むしろ充電池よりも早く電圧が下がるので、乾電池用機器で公称電圧1.2Vの充電池では電圧不足で動作しないというシビアな機器は無いと思いますが。
    もしあれば実例をあげて紹介して下さい。

  2. ひろも says:

    4年前

    最近の機器は、一般的に充電池でも動作するように設計されているようで、特に、大手メーカーの機器では最近は問題を経験したことはありません。
    しかし、その筋では有名だけれども小さなメーカー製のあるLED発光機器で、充電池では動作時間が極端に短くなり使い物にならないケースが最近ありました。
    また、名も知らないメーカーの機器で、パワーが異なる複数製品のうち、最もパワーのある製品でのみ、充電池では全く起動しないケースも最近経験しています。
    なお、具体的な製品名については公表は控えさせていただきます。

  3. するがワン says:

    4年前

    ガスコンロ着火用の単1電池を、スペーサを介した充電池に置き換えたら電圧不足で快適動作とはならず、1.5v充電池はないものか…と探してこちらに辿り着きました。
    残念ながらそうした(適切な)製品はないだろうことは分かりましたが、こちらの記事は楽しく拝読しました。

    通りすがりさんが、さも分かったような口振りで粗を見つけたかのようにご満悦ですが、アルカリ乾電池の多くは記事中にもある通り未使用新品時には1.6+v程度あり、未使用で大気中保存、つまりほったらかしのまま期限を2年経過したもにでも1.5v以上程度の残存があるのが普通です。
    1.5v時を基にした仕様表記がなされている、カメラ用ストロボや直列にいくつも繋ぐ必要のあるラジコンカーなどでは、ひとつあたり1.2vでは話にならないものが多くありますね。

    馬鹿丸出しの発言をせずに済むだけの教育を与えてくれた、両親や教師やその他の大人たちに感謝しきれない思いです(笑)

  4. 通りすがり2 says:

    3年前

    格安トランシーバーが単四4本必要で,1.2Vの充電池だとごく稀にしか電源を認識しません。認識しても電池容量表示が最低の1目盛り表示。1.5V×4本は6Vなので,1.2Vだと約1本分の電圧不足になるからだと思います。1.2V×5本にすればちょうどいいので,外付け電池パックを自作するほかないかなぁ~

  5. 参考になった says:

    3年前

    赤ん坊用の玩具、メリーは1.2v充電電池では動きませんでした。(国内メーカー製ですが、もちろんメイドインチャイナ)
    乾電池で使っていても多少の電圧降下ですぐ動かなくなってしまうので充電電池で1.5v探していて当サイトに来ましたが、地道に乾電池を大量に買って交換しながら使うことにします。

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