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マリオ64の再来、だけじゃない。これは名作「スーパーマリオオデッセイ」レビュー

 last update 2020年12月27日
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2017年10月27日に発売されたニンテンドースイッチ用ソフト「スーパーマリオオデッセイ」、もうプレイしましたか?

管理人も、この古くて新しいマリオシリーズの最新作を発売日に購入。それなりにやりこんでみたので、レビューをお届けします。

飽きっぽい人でも最後までプレイできるマリオ

おいおい、レビュー記事ってそういうレベルの人が書いちゃうのかよ、と思われそうですが、個人的に今回のマリオで一番評価できるのは、「飽きっぽい人でも最後までプレイ出来る」部分だと理解しています。

いきなり酷いことを吐露してしまうと、僕、マリオって、据え置き機でも携帯機でも発売されれば毎回買うには買うものの、実質、任天堂へのお布施になってて、最後まで飽きずにプレイしたことって少なかったんですよね。

でも、今作「スーパーマリオオデッセイ」はちゃんと最後までクリアしたし、なんならムーンもそれなりに集めて月の国の裏まで行っちゃった。

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「スーパーマリオ64ぶりの名作」との呼び声も高い本作品だけれども、その背景には、この間口の広さと深さがあるのではないか、と感じて仕方ありません。

ここでは、そんな本作の秘密について、自分なりの意見をつらつらと書いていきます。

任天堂系ゲームの集大成とも言える楽しいギミックの数々

本作では、ステージ毎に異なるギミックが惜しげもなく投入されており、プレイヤーを飽きさせません。いかにも任天堂の主力作品らしい、豪華な構成と言えるでしょう。

"飽きさせない仕組み" は色々ありますが、その "核" になっているのは、相棒である帽子のキャッピーを投げて敵キャラクターをキャプチャーするスキルでしょう。これは「星のカービィ」の吸い込み的なギミックで、マリオが敵(などの相手)の体・能力を使えるようになる、というものです。

ともすると単調になりやすくなるスーパーマリオシリーズですが、このギミックのおかけで、ステージ毎に全く新しい世界が広がるわけです。

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キャプチャーできる敵の中には、ヨッシーのようにそれ単体で1本のゲームとして成立するような特徴的な操作性のキャラや、ハナちゃん、ジュゲムなどの一度は操作してみたかったあんなキャラ、こんなキャラまで。とにかく数が多いので、本当に飽きません。1本でいろんなゲームを楽んだ気分になれるおトク感がハンパじゃない。

この辺りは、ニンテンドースイッチ向けのソフトがまだ少ない(※この記事は2017年11月公開)事への配慮なのかもしれませんが、とにもかくにも盛りだくさん。「さすがはマリオ、本当に力が入ってるね」と思える部分です。

キャプチャー以外の細かいギミックはお楽しみということであまり触れないでおきますが、過去の任天堂・HAL研系ゲームで出てきた面白い要素をこれでもかと詰め込んでおり、こちらも大変豪華になっています。

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例えば、今作は3Dマリオでありながら、マップのところどころに2Dマリオのステージが貼り付けられています。

これは、単に8bitおっさんの感傷を誘うだけの要素でなく、3Dマップ上の別の場所への抜け道になっているなど、ゲーム上でも意味のある重要な要素として、また、ステージに変化をもたらす面白い仕掛けとして成立しているのです。

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2Dというと古くさいイメージがあるかもしれませんが、今回の2Dとの融合は、単なる懐古趣味やゲーム上のギミックに留まらず、新しい表現すら生み出している、という点も見逃せません。

特に、ニュードンクシティのフェスティバルの2D面は特筆もので、花火が上がる摩天楼の美しい景色を背景に、ドンキーコングとスーパーマリオの要素を掛け合わせたようなコースを立体的にかけめぐり、ボーカル入りのテーマ曲を聞きながら市長の元へ駆けつけるという感動的なシーンを拝むことができます。

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このあたりは思わずウルッときてしまうような感傷的なシーンに仕上がっており、これまでのスーパーマリオには無かった「攻めた」趣向ということで、評価したいところです。

ムーン探しはめっちゃ楽しい

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今を遡ることおよそ20年前、「スーパーマリオ64」という名作がありましたが、そのマリオ64のスター探し的な要素として、今作では「パワームーン探し」というタスクが用意されています。

本作は、ウチの嫁をして「ウロウロするのは本当に楽しいなー」と言わしめるだけあり、マップ探索にとりわけ楽しさがあるゲームですが、その「やりこみ要素」の報酬がこの「パワームーン」と、おなじみの色付きコイン収集、という格好です。

さらにこのパワームーン探し、今作では、キャプチャ能力との組み合わせで、さらに奥深いものへと進化。

マリオの本来の能力では行けないところでも、◯◯をキャプチャーすれば行けるかも…。という感じで、ちょっとした謎解きになっていたりもします。

探索したくなるマップ構成や寄り道の快感、そこに用意されている報酬。オープンワールドっぽい要素もうまく絡めており、そういうのが好きな人でなくても思わずムーンを探してしまう、マリオデを語る上では避けられない、たまらない要素に仕上がっています。

"パワームーン探し" の難易度ですが、各ステージ毎に、次のステージに進むためのパワームーンの必要最低数が設定されており、その範囲内であれば、探索はたいして大変ではありません。

しかし、全てのパワームーンをノーヒントで探そうと思うとかなり大変。ヒント鳥やamiiboおじさんなどを頼りに1つづつ探したとしても、それだけで半年以上は遊べるくらいのボリューム感ではないかと思います。

酷いと、何も無いように見える地面で(コントローラーの)HD振動が震える場所があり、そこでヒップドロップをかますとムーンが出てくる、とか、そういう鬼畜さになって来るんですよね……。

飽きっぽい人、下手な人でも最後までできる仕組み

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さて、やりこみ要素の話はひとまず置いておきましょうか。

なんとなーくですが、今作は、「飽きっぽい人や、下手な人でも最後までプレイできる。または途中でやめても面白かったな、と思える」という部分をかなり意識して作られている気がして仕方がないわけですが、その根っこにあるものってなんだろうか、と考えると、多分、1番大きいのはゼルダBotWのレビューでも指摘した、プレイヤー毎にゲームの解像度が異なる仕組みなんじゃないかと思うわけです。

プログレッシブゴールとでも表現したらいいんでしょうか。ゲームクリアに必要な最低ラインは割りと低めに設定されており、その先にやりこみ要素がある。なんて書くと陳腐でありきたりな表現にはなっちゃうんだけども。

ようは、やりこみ要素を「うぜー」と思う人や、スキル不足で「できない」人でも、最低限のゲーム進行度合いでちゃんとおいしいところだけ楽しめる、って部分が、多くの人がこのゲームを「良かった」と思える秘密なんじゃないかと。

"最低限" の範囲でも飽きない仕掛けがこれでもかと用意されているし、一方で "やりこみ要素" の動機づけもよく出来ていて、アイテムを集めておしまい、って風でもない。

アイテムをある程度集めないと手に入らない服や、行けないエリアとか。やりこみ要素にもちゃんと報酬が用意されているから、ゲームクリア後も、自然とパワームーンや紫コインを集めたくなるわけで。

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どんな切り口で見ても、どんなスキルで見ても面白いと思える丁寧な作品作りが印象的なゲームだと思います。

趣向を凝らしたボスキャラの数々

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近代任天堂ゲーと言えば、社内でアイディアコンテストでもやってんじゃないのか、ってくらい変なボスキャラがコレでもかと出て来るわけですが、本作でも、期待を裏切らないおかしなボスキャラ達が我々を楽しませてくれます。

スプラトゥーン1・2のストーリーモードの方が攻めてる気もしなくはありませんが、だいたいあっち系のセンスのボスキャラ、ということで家族で安心して楽しめるのではないでしょうか。

また、そんなボスの倒し方も、本作ならではの "敵をキャプチャできる能力" をフル活用する形なので、とても変化に富んでいて飽きさせません。

1人のマリオを2人で操作する「2人同時プレイ」がかなり楽しい

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僕は2人同時プレイのゲームが大好きでして。最近だと、ミニスーファミで久しぶりに聖剣伝説2を2人プレイしていたわけですが、こういうのって、スマホゲーやソシャゲーの時代で失われた楽しさの1つだよねー、とは常々感じていたんですよね。(そうでない楽しみも増えましたが)

そういう意味ではスイッチ向けのソフトって、やたらと多人数同時プレイのアクションタイトルが多い気がするんですが、多分、任天堂としても、そういったものにもう一度光を当てたいのかもしれません。

とにかく、僕が言いたいのは、本作の2人同時プレイは楽しいから、絶対に一度はプレイしてみるべきだ、って事です。

特に、スキルが高い方がキャッピーを、下手な方がマリオを操作するのがオススメ。

マリオを操作する人は自分が上手くなったように感じるので大変にご機嫌であるし、キャッピーを操作する人はなんだかやりこみ魂が燃える感じで、とても新鮮な気分になれます。

1人でもプレイできるキャラクターを2人で同時に操作する、というちょっと珍しい発想ですが、プレイしてみれば分かるとおり、「これはあまり経験したことないものだ。面白い!」と感じられるハズ。

キャッピーとマリオ、どちらが難しいかはシーンにもよりますが、2人が同じスキルということはあまり無いでしょうから、2Pゲームが平等である必要なんてなかったんや、という部分でも気づきが得られると思います。

スナップショットモードの視点移動はハマる

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今作では、カメラ位置が決まっている3人称視点ゲームでは通常撮れないようなスクリーンショットが撮れる「スナップショットモード」が用意されています。

スナップショットモードでは視点移動やエフェクトにより、SNS映えする写真の撮影が可能です。ということで、うっかりすると画作りに夢中になって気がつけば時間が経っている、というくらい。

スーパーマリオオデッセイは本編以外にも楽しみが多いゲームですが、スナップショットモードもそんな楽しみの1つと言えます。

携帯モードを意識して?遠くのキャラの処理軽減が面白い

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話題は変わってちょっと技術的な話を。

僕も最近のこっち系はさほど明るく無いので、的外れなことを言っていたら申し訳ないんだけども、「スーパーマリオオデッセイ」では面白い処理の省き方がされているので、触れておきます。

具体的には、遠くのキャラの解像度やフレームレートを落とす、というレンダリングでして。

これはシーンにも寄りますし、ひょっとすると解像度は見間違えかもしれませんが、重いシーンでは遠くのキャラがフルHDから720p相当に解像度が落ちているような。あと、フレームレートに関しては遠くの目立たないキャラだけ意図的に落としているケースが散見されます。

つまり、このゲームでは、異なる解像度とフレームレートのキャラが1つの画面に合成されているわけです。

この手の技術は特に目新しいものではなく、むしろ久しぶりに聞いたな。という部類のものにはなるのですが、ご存知のとおり、ニンテンドースイッチはゲーム機というよりもスマホやタブレットに近いハードなので、その処理能力はさほど高くありません。

AC電源が使えるTVモードならまだしも、特に携帯モードではバッテリー稼働のため、電力も潤沢には使えないわけです。

そういったハード制約の中で極力フレーム落ちさせない。だけども、ゲーム画面はリッチに演出したい。という匠の技ということで、興味のある人は遠くのキャラにも目を向けてみると面白いかもしれません。

これらの対策は巧妙で、普通にプレイしていれば気がつくことは少ないわけですが、面白いなー。と思ったので敢えて触れておきました。

関係ないけど、フレームレートが激しく落ちまくるゼルダBotWでもこれと同じことしてたんだろうか。いずれにしても、スーパーマリオオデッセイでは、フレーム落ち対策にずいぶんと腐心した形跡を感じられます。

実利的な任天堂が好みそうなアプローチですよねー。

いい作品と思います

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ゼルダBotWは、うっかりすると明け方ぶっ倒れるまでプレイしたくなる魔性のゲームでしたが、マリオはもっと健全に楽しめる雰囲気です。とはいえ、午前2時までパワームーンを集めていたりもするので、そのくらいのハマり度はあります。

あ、それよりも、もっと分かりやすい例が身近なところにあったや。

えーと、ウチの嫁は普段アクションゲームとかやらないんですが、そんな人がものすごく下手ながらも、頑張ってマリオをプレイしています。夜遅くまで。それくらい、下手でもなんとかなるゲームだし、なんかやりたくなるゲーム、ということです。

今作は、毛色はゼルダBotWとはかなり違いますが、また別の名作と言えると思います。

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この記事へのコメント(1件)

  1. 通りすがり says:

    6年前

    レビューするなら、ネタバレしない方がいいですよ!貴方が良かったと思う箇所の一部は、初見プレイだからこそ感じ得たものだと思います。特に最初の画像辺りのことです。読む人の気持ちを考えてください。伝えるにも他の表現方法はあるはずです。

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