S&P 500 VIX連動ETF「VXX」償還へ。次バージョンは「VXXB」。「VXZB」も

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2009年の上場以来、長らく取引されてきた ETN「VXX」が 2019年1月30日をもって満期・償還を迎えます。

「VXX」は、S&P 500 ボラティリティインデックス(VIX)と連動する ETN。異なる複数の残存期間の先物を合成することで、一定の残存期間になるよう設計された「コンスタントマチュリティ(Constant Maturity)」と呼ばれる手法を用いた、短期 VIX 先物を原資産とする ETN です。

VIXのスパイク時には大きく値上がりする可能性もあるため、当然、ショートセルには大きなリスクもあるわけですが、基本的にはコンタンゴにより安定して下落する設計となっているため、これを使った投資戦略を組み立てている人は少なくありません。

さて、VXX の償還まで残り1年を切ったということで心配されている方もいるかもしれませんが、既に「VXX バージョン2」とでも呼ぶべき次期VXX「VXXB」がバークレイズより発表・上場しているので紹介しておきます。

「VXXB」は、VXX 同様、S&P 500 VIX 先物の残存期間が1ヶ月になるよう合成されるコンスタントマチュリティの ETN。手数料は VXX と同じく年率0.89%となっています。運用開始は2018年1月17日、満期は2048年1月23日。30年もの長期に渡る運用予定となっています。

ティッカーシンボルは「VXXB」で、オプション取引もすでに可能となっていますが、現物・オプションとも、執筆時点の取引量はかなり少ない状態です。また、オプションに関しては、取引可能な権利行使価格の幅も VXX に比べるとかなり狭くなっています。

VXXB と VXX は、今後1年間、並行して取引される予定となっていますが、VXXの償還が近づくにつれ、徐々にその取引量も増えていくことでしょう。

ということで、VXX が無くなる!と慌てる必要はないよ、VXXB が出来るよ。という情報でした。

なお、VXXの中期版となる「VXZ」の新バージョンにあたる「VXZB」も、同日より運用開始されています。こちらも VXZ 同様、S&P 500 VIX 先物の5ヶ月相当のコンスタントマチュリティとなっており、満期は2048年1月23日となっています。

関係ありませんが、ここ最近の中国のVXFXIの動きを見ていると、相場の風が変わりつつある感じするんですよね…。

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