last update 2018年2月6日 11:51

米株大幅下落でVIXインバースETNの即死条項が適用。ベアETFの恐ろしさが炸裂

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2018年2月5日の米国市場は、ダウ平均が一時1597ドル超の下げ、終値も1175.21ドルの下げとなるなど、過去最大の下落幅を記録する展開となりました。

それに伴い、別名「恐怖指数」とも呼ばれる VIX 指数も、前日比115.6%プラスの37.32へと急騰。

時間外取引でも混乱は続き、VIX を原資産とするETN(日本で言うETF)が前日以上に急騰する一幕もあるなど、ピリピリとしたムードが漂っています。

このような混乱の中、VIX インバースETN「XIV」が一撃で早期償還するという面白い事象が発生したので、少し触れさせていただきます。

 

恐怖指数として知られる「VIX」は、市場が混乱すると上昇、市場が落ち着くと下がる指数ですが、このVIXの先物を原資産としているETN「VXX」のインバース(逆の値動きをする)ETNが「XIV」です。

簡単に言えば、市場が混乱してみんなが怖くなれば下がる。平穏だと上がり続ける。それが「XIV」の基本的な値動きになります。

VXXの逆の値動きをする、ということで、VXXのショートセルに比べて資金効率が良いなどの利便性もあるにはあるXIVなのですが、実は、この「XIV」には罠がありまして、ザラ場中に前日比で80%以上下落すると、その日の内に強制的に償還を宣言できるという、いわゆる「即死条項」が設定されているのです。

理論上、その適用はありうるけども、そうそうあることじゃないよね。くらいに認識されている方が多いように感じるこの「即死条項」ですが、なんと今日がその日になった。ということで認識を新たにして頂きたくてですね。

というのも、こちらの「XIV」。5日の終値は99ドルだったのですが、日本時間の6日早朝、つまり、米国時間5日の時間外取引では10ドル、つまり-91.35%という大幅な安値を付けた。しかも、それっきり-80%以上まで回復していない状態だったのです。

このまま何の材料もなく、米国市場のザラ場の時間になれば、まぁ、一撃償還…かと思っていたら、野村証券が NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN(2049.T)の早期償還を決定してましたわ。

ちなみに、下のグラフは過去1年間のXIVの値動き。一時は140ドル台後半まで上がりましたが、ここ数日のVIXの急騰で、あっけなく、ほぼ無価値な状態になっています。

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基本的にインバースETNは、元となる証券の前日からの値動きに対してマイナス1の連動率となるよう設計されていますが、ボラティリティのように1日で大きく上昇する可能性がある原資産の場合、このように全てを失う可能性がある、という点を改めて認識しておく必要があるでしょう。

なお、この辺りのリスクについては、ETNのクソ長い目論見書でも、当然、ちゃんと触れられていまして。

Sensitivity of the ETNs to large changes in the market price of the underlying futures contracts

Because the Inverse ETNs and 2x Long ETNs are linked to the daily performance of the applicable underlying Index and include either inverse or leveraged exposure, changes in the market price of the underlying futures will have a greater likelihood of causing such ETNs to be worth zero than if such ETNs were not linked to the inverse or leveraged return of the applicable underlying Index. In particular, any significant increase in the market price of the underlying futures on any Index Business Day will result in a significant decrease in the Closing Indicative Value and Intraday Indicative Value of the Inverse ETNs, and any significant decrease in the market price of the underlying futures on any Index Business Day will result in a significant decrease in the Closing Indicative Value and Intraday Indicative Value of the 2x Long ETNs.

If the price of the underlying futures contracts increases by more than 80% in a day, it is extremely likely that the Inverse ETNs will depreciate to an Intraday Indicative Value or Closing Indicative Value equal to or less than 20% of the prior day’s Closing Indicative Value and will be subject to acceleration if we choose to exercise our right to effect an Event Acceleration of the ETNs. If the price of the underlying futures contracts decreases by more than 40% in a day, it is extremely likely that the 2x Long ETNs will depreciate to an Intraday Indicative Value or Closing Indicative Value equal to or less than 20% of the prior day’s Closing Indicative Value and will be subject to acceleration. If the price of the underlying futures contracts decreases by more than 80% in a day, it is extremely likely that the Long ETNs will depreciate to an Intraday Indicative Value or Closing Indicative Value equal to or less than 20% of the prior day’s Closing Indicative Value and will be subject to acceleration if we choose to exercise our right to effect an Event Acceleration of the ETNs.

Acceleration Event:

As discussed in more detail under “Specific Terms of the ETNs—Acceleration at Our Option or Upon an Acceleration Event” in this pricing supplement, an Acceleration Event includes any event that adversely affects our ability to hedge or our rights in connection with the ETNs, including, but not limited to, if the Intraday Indicative Value is equal to or less than 20% of the prior day’s Closing Indicative Value

ここでは、インバース(ベア)ETNだけでなくブル2倍のETNでも、原資産の大幅な変動があった場合は、その価値がゼロになる可能性が高いことをきちんとうたっています。

また、これだけでなく、XIV には XIV を原資産とするオプションの設定が無いというのもリスクヘッジ的には辛いところでして、そんなこんなで、個人的にはリスクが大きいと判断して、実は、XIVのポジションは持ったことがないのです。

ということで、なんとも後出し的なズルさが否めない記事にはなってしまいましたが、それでも歴史から学ぶものは少なくないはずですので、今日、何が起こったのかを記録に残しておこうと思い、記事にしてみました。

全てのインバースを否定するつもりもないですし、今後、新たなVIXインバースが登場したとしても僕は否定しませんが、この手のエクスポージャーを取るならば十分な余力が大事だよね。というのが、今日の相場を自分の目で見た、僕の感想になります。

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