自然吸気口(換気口)の騒音対策にサイレンサーが効く【総まとめ】
ここ1年半ほど色々と試行錯誤している100Φの自然吸気口(換気口)の騒音対策なんですが、かなりノウハウが溜まってきたので、ここらで結論をまとめておきます。
ウレタン・グラスウールよりサイレンサー
こんな↓感じで色々試しましたが、
最終的にはやっぱり、メルコエアテック製のダクト挿入タイプのサイレンサーが一番効果がある。という結論になりました。
車のマフラーやエンジン音などの低音から高音まで、バランスよくハイレベルで防音できるので、これ一個でいいじゃん。という感じです。
オススメは次の2製品になります。
■木造や壁厚の鉄骨、換気口の構造が単純な場合など、ダクト長に余裕があるなら「AT-100SA」。
こちらは、単純にダクトに挿入するタイプ。既存の換気口をそのまま流用することができます。
こんな感じで入れて、
ダクト長が足りるなら元通りにできます。
取り付けレビューはこんな感じ。
ダクト長が足らない場合は、後述の通り、色々と工夫が必要になってきます。
■壁薄や換気口の外側パーツが複雑など、ダクト長に余裕が無い場合は、レジスター「AT-100QRKNB3」。
こちらはサイレンサーと室内給気口が一体化されたパーツです。
ダクトの深さが足らない場合でも、室内吸気口をまるごと交換することで審美性を保ちつつ、静音化できます。詳細は各自仕様を確認していただくのが良いですが、記憶が確かなら、こちらの給気口に取り替えれば、同じサイレンサーを使いつつ30mm(3cm)ダクト長を稼ぐことができます。
後述のフィラーが30mm以内ならこちらに交換した方が施工は楽かもしれません。
ただし、メルコエアテックの換気口はフィルターのラインナップがちょい弱め。
我が家は全員花粉症ですのでPM2.5対応フィルターは必須、ということで、(自然吸気口の外側が複雑なこともあり)ダクト長が不足しているながらも、後述の方法でパナソニック エコシステムズ ベンテック製の室内吸気口との組み合わせで無理やり「AT-100SA」を使っています。
サイレンサーの施工はしっかりと
理由は良くわかりませんが、サイレンサー挿入により換気口と壁の間に隙間が出来てしまうと、防音効果が減る気がします。これに気付かずに、再びグラスウール+ウレタンのサイレンサーの構成に戻していたのですが、そこさえきっちり施工すれば、間違いなく「AT-100SA」がこの環境で使える(格安で施工できる範囲では)最強のサイレンサーと思います。
換気口と壁の間の隙間はフィラーで埋めます。ウチでは室外給気口の金属シャッターが邪魔でダクト長が不足したので、21mmのフィラーを入れました。
最初はプラスチック樹脂でフィラーを形成する必要があるのかと思い、二の足を踏んでいたのですが、結局、「激落ちくん」みたいな発泡ウレタンをカッターで切ってフィラーにしても意外と効果があることが分かりました。というか、吸気口のフタの部分もよく見たらウレタン製なんですよね。
で、どっちかっていうと問題はネジのほう。
ウチの場合、偶然にも施工時に使っていた「ステンレス さら木ねじ」の型番が分かりましたので、同じ製品の長いタイプに換えました。ただ、木工用のネジはピッチなどの規格が良く分からない感じだったので(規格が無い?)、ネジさがしには苦労しました。
結局、ウチで購入したのはこちらの「ステンさら木ねじ」。
正直、ネットで買うよりホムセンとか建材を扱っている職人の店で買うのがお得です。
テクニックがある方なら、ひょっとするとネジ穴を一回塞いでから再度開ける、とかの方法も手かもしれません。
ということで、
こんな感じになりました。
室内吸気口のだけの交換ならドライバー1本でできるので簡単です。
窓の防音も超重要
今回はサイレンサーの話だけでしたが、部屋がうるさい場合には窓の防音も超重要です。
というか、窓からの音の侵入の方がうるさい、ということは少なくありません。
うちはペアガラス+防音ガラスという2重窓にして、その上で金属シャッターも閉じることがあります。これでほぼ無音の状態にすることができます。昼寝していても、呼吸で動く自分の爪と布団が擦れる音がはっきりと分かるくらいです。
ガラスの2重窓を防音目的で入れる場合は、コインシデンス効果に注意。色々ありますがガラスの間をあけた方が防音効果が高い、ということは覚えておいたほうが良いです。
また、縦すべり出し窓などで2重窓化が困難、または窓枠に余裕が無い場合は、鉛で防音壁を作るのも効果的です。
0.3mmの鉛でもかなりの防音効果があります。倍厚にすればもっと効果があるでしょう。ただし、かなり重いので、小窓以外にはオススメできません。
大窓の場合はふかし枠を付けた上で防音ガラス、という感じになるかと思います。
空気を伝わる音には効果があるが振動には効果がない
当たり前ですが、ここで紹介しているどの防音方法も、空気を伝わってくる音にのみ効果があって振動音には効果がありません。
我が家は幹線道路から微妙に離れているため、地面を伝わる振動はほとんど気になりませんが、風などで金属シャッターが揺れる音はある程度入ってくる印象です。
防音素材の性能評価についてですが、外から空気を伝わってくる音に関しては、各素材の音響透過損失を評価すれば大体OKと思います。
そういう面ではDIY防音派にとって、「鉛板」と先のサイレンサーは福音、2種の神器と言えると思います。
防音の追求はここまでにしとく
とりあえず、我が家の防音に関してはこれで一段落。
自分の技として身に付いたので、今後、他の部屋で同様の問題が起こっても多分対処できそう。
基本的に僕が求めている静粛性の水準が高いんだろうとは思ってるんだけども、これで、以前住んでいたルーラルな立地のRC造アパート(古い造りなので換気口なし。厚めのシングルガラス窓)よりは全然静か。他階からの低音の振動が伝わってこないからってのも手伝って、ほぼ、理想の環境を手に入れた感じです。
似たような性格・性質・環境で困っている、というか、パフォーマンスを追求したい考えている方は参考にしてみてください。