last update 2020年8月21日 18:26

【DaVinci Resolve】LUTを使わずカラースペース変換する(S-Log3)

ソニーのLog撮影「S-Log3」絡みのノウハウが溜まってきたのでまとめ。

S-Log3 で撮影した動画には 3D LUT を当てる以外にも、DaVinci Resolve の「カラースペース変換」を当てるという選択肢があります。

ということで今回は、S-Log3 で撮影した素材を Rec.709 へカラースペース変換する方法をまとめておきます。

S-Gamut3?Cine?撮影はどちらの色域?

まずは撮影時の色域の話から。

ガンマカーブ「S-Log3」は、「S-Gamut3」「S-Gamut3.Cine」のいずれかのカラースペースとセットで使われます。

どちらを使うか迷っている場合は、最終アウトプットの色域によって選択するのが良いでしょう。

  • Rec.709 → S-Gamut3.Cine
  • Rec.2020 → S-Gamut3

それぞれ、色域の形状が良く似ている、というのがその理由になります。

S-Log3で撮影した動画をカラースペース変換する

DaVinci Resolve では、以下A・Bの2段階でカラースペースを変換することができます。

  • 「入力」→(A)→「タイムライン」→(B)→「出力」

つまり、DaVinci Resolve のカラースペース変換のワークフローは、大まかに3通りあるわけです。

  1. カラーページでカラースペース変換する
  2. プロジェクト設定のカラーサイエンスでカラースペース変換する。
  3. 「1」「2」の2段階でカラースペース変換を行う

先のAは「1」で、Bは「2」でカラースペース変換を行う形になります。

1.カラーページでカラースペース変換する

まずは最も手軽な「1」のカラーページでカラースペース変換する方法から書いていきます。

ここでは、プロジェクト設定のタイムラインカラースペースが「Rec.709 Gamma 2.4」となっている前提とします。

まずはカラーページでノードを作り、OpenFX の「カラースペース変換」を以下の設定で追加します。

  • 入力カラースペース:Sony S-Gamut3.Cine(※撮影時の色域)
  • 入力ガンマ:Sony S-Log3(※撮影時のガンマ)
  • 出力カラースペース:タイムライン
  • 出力ガンマ:タイムライン

また、以下も調整しておきます。

  • 「トーンマッピング」内の
    トーンマッピング方法:Simple
  • 「色域マッピング」内の
    色域マッピング方法:彩度マッピング
    彩度のしきい値:自分で調整(Knee。目安として0.8~0.95くらい)
    彩度 最大値:自分で調整(目安として1~1.15)

あとは、スコープなんかも確認しつつ、色域マッピングの値やカラーホイールでグレーディングすればOKです。

2.カラーサイエンスでカラースペース変換する

また、「プロジェクト設定」のカラーサイエンスで、プロジェクト単位でまとめてカラースペース変換を行うこともできます。

例として、Rec.709 出力時の「プロジェクト設定」→「カラーマネジメント」の設定はこんな感じになります。

  • カラーサイエンス:DaVinci YRGB Color Managed
  • 入力カラースペース:バイパス
  • タイムラインカラースペース:S-Gamut3.Cine/S-Log3
  • 出力カラースペース:Rec.709 Gamma 2.4

また、マッピング周りの設定も入れておきます。

  • 「トーンマッピング」内の
    トーンマッピング方法:シンプル
  • 「色域マッピング」内の
    色域マッピング方法:彩度マッピング
    彩度のしきい値:自分で調整(Knee。目安として0.8~0.95くらい)
    彩度 最大値:自分で調整(目安として1~1.15)

この場合、カラーページでのカラースペース変換は、基本的には必要ありません。

3.2段階でカラースペース変換を行う

「1」「2」を組み合わせる場合は、各段での色域の違いやクリップに注意する必要があります。

また、複数色域の素材を組み合わせる場合も、自分で組み立て方を考える必要が出てきます。

各素材の色域が異なる場合、カラーページのメディアプール → 各メディアを右クリック →「入力カラースペース」からそれぞれ指定できますので、活用すると良いでしょう。

カラーサイエンスに関しては、ここでは分かりやすさを優先してタイムラインカラースペースを S-Gamut3.Cine/S-Log3 としましたが、実際には Cineon や Rec.2020 Gamma 2.4 を使ったり、また、カット編集程度のWEB向けなら Rec.709 を使うケースもあるでしょう。このあたりはワークフローの整備が必要になるところです。

出力カラースペースも、HDR10(PQ) なら Rec.2100 ST2084、HLG なら Rec.2100 HLG を選択になるでしょう。

S-Log3 での撮影~カラーサイエンス~カラーコレクションの流れは少し敷居が高いですが、極力、白飛びさせたくないシーンや微妙な色表現をする上での強力な武器となることは間違いありません。

逆に、コントラストの面での難易度が低く、カット編集くらいしかしないのであれば、Log 撮影でなく直接 Rec.709 などで収録した方が、ポストプロダクションの行程を簡略化できるでしょう。

ということで、ライトユースでも適材適所で Log 撮影を活用できると良いのではないでしょうか。

なお、素材ごとに入力を指定することも可能で、カラーサイエンスが「DaVinci YRGB Color Managed」なら各クリップを右クリック→「入力カラースペース」からカラースペースを指定可能です。また、ACES系なら「ACE入力トランスフォーム」を指定することができるようになっています。

参考資料:

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