【楽天モバイル】通信品質問題が許されない時代。QRコード決済・位置情報ゲーム【レビュー】

last update 2021年1月22日 20:09

高止まりする通信料金が問題視される中、時の政府の意向を受けて登場した感のある「楽天モバイル(MNO)」。

僕も、怖いもの見たさでメイン回線を楽天モバイルに乗り換えてもうすぐ1年経ちます。が、実際に使い続ける中で「今の時代に、後発が携帯キャリアを立ち上げる事の大変さ」をそこここで実感するので、今日は殊更に文句ばかりを書き連ねてみます。

いやね、正直なところ「携帯業界の挑戦者」ということで可能な限り応援したいんですよ。で、実際に楽天モバイルは「メイン回線として、まぁ、使い物になる」わけです。が、ダメなところはダメなのも事実なわけでして。

QRコード決済の普及と「どこでも繋がる」事の重要性

まず、最初に僕が指摘しておきたいのは「スマホが繋がらないことの重大性が、以前より格段に大きくなっている」という時代の流れです。

万が一圏外があったとしても、昔なら、実際の被害は「一時的に連絡が取れない」だけでした。そしてその場合でも、面倒ではあるものの「圏内へ移動して連絡する」ことで、ほとんどのケースにおいて「スマホの使用目的」自体は達成できたわけです。

しかし、2019〜2020年に急速に普及したQRコード決済のような "スマホ側での通信が必須のキャッシュレス決済" では「通信できない」イコール即「支払いできない」となり、被害は深刻になります。

僕は最近、現金を持ち歩かない事が非常に多いのですが、某百貨店の地下食料品売場でスマホ決済しようとしたところ、楽天モバイルが圏外だったせいで「楽天ペイ」が使えない事があり、かなり肝を冷やした経験があります。

幸い、その時は手持ちのクレジットカードで決済して事なきを得ましたが、これでめでたく、楽天モバイルの SIM が挿さった端末は「QRコード系のスマホ決済が使えない可能性のある端末」という烙印を押される格好に。

ちなみにこのお店、ドコモSIMでは普通にQRコード決済が使えるのですが、地下の奥まった所にあるためか、通信環境的に楽天モバイルには厳しい結果となったようです。

本当は、使い切りたい楽天ポイント(期間限定)が余っていたので、できれば「楽天ペイ」を使いたかったんですけどね。

ローミング切り替えのエリアエッジでの通信の厳しさと位置情報ゲーム

先の例は「デパ地下の奥」ということで、多少、意地悪だったかもですが、楽天回線エリアとパートナー回線エリアが入り乱れるエリアエッジでの通信品質の悪さに関しては、昔と変わらずのままです。

例えるなら、これは(かなり古い話にはなりますが)2GHz 帯オンリーで LTE 基地局を展開し始めた頃のドコモ回線くらい「パケ詰まりが酷い場所がある」という感じ。

もちろん、楽天の基地局が十分な密度で面展開されているエリアであれば快適にハンドオーバーしてくれるので、使用感的には問題ありません。が、最近エリアが拡充されたばかりの基地局が疎な地域の場合、経験上、移動中の通信が一発では通らない場面に日に何度も遭遇する、というのが包み隠さない現状です。

そんな時でも、大昔なら「電波環境の良いエリアへ少し移動すれば良いだけ」だったのかもですが、最近は、それでは使い物にならないアプリが増えています。

それは、ポケモンGO やドラクエウォークのような位置情報ゲームアプリです。

この手のゲームでは、一時的に圏外になったからといって電波の良い場所へ移動してしまっては、ゲーム内の目的を達成できない場面が少なくありません。

また、一部のクーポンアプリでも、本当にユーザーが来店していることの判定に 、GPS や QR コード読み取りを併用する事例は珍しくありません。

楽天モバイルの不安定な通信環境を経験すると、決済はもちろん、ただのゲームやクーポンアプリでも「どこでも通信できることが当たり前」な世界になっていることに気付かされるわけです。

エリア詐欺と使用感の悪さが織りなす不協和音

2021年1月現在、楽天モバイルのエリアマップは現実との隔たりが大きく、率直に言ってかなり詐欺感がある状況になっています。

東京・大阪・名古屋市内といったサービス開始当初からのエリアならまだしも、あとから拡充されたエリアの場合、ルーラルはおろか、中核都市ですら酷い有様です。

で、ここで私が何を指摘したいかというとですね、この記事で指摘した諸問題はエリアマップの隅っこやルーラルだけでなく、楽天回線エリアのド真ん中でも頻発する、という事なんですね。

かつて、プラチナバンドを持たない時代のソフトバンクもエリア整備には大変苦慮した過去があります。そして、当時「電柱基地局」などと陰口を叩かれながらも、力技で相当数の基地局を展開し、最終的にはプラチナバンドを手に入れ、現在では大幅に電波状況が改善されました。

楽天モバイルがどの程度の基地局密度を(当面の)ゴールとして考えているのかは分かりませんが、今の密度のままでの面展開を考えているようだと、ネットワーク品質の向上を実感できるようになるには相当な時間が必要なのではないか、と思えてなりません。

対策はあるが面倒

エリアエッジでの通信環境の悪化に関しては、別の場所へ行って戻ってくると繋がったり、また、モバイルデータ通信を OFF/ON することで症状が改善したりと、工夫のしようはあったりします。

ただ、国道上に(事実上の)エリアエッジが線上に配置されているエリアでは、ある区間をある方向へ走行した場合、その区間が丸ごと(アンテナピクトは立っているが)通信が通らない、なんて状況だったりするのは厳しいところ。

いずれにせよ、エリアの問題は時間が解決してくれるのかもしれませんが、それもこれも、楽天モバイルが携帯電話事業で収益を上げ、設備投資が続けられる事が前提です。

昔と違って、スマホの通信は「どこでも繋がるのが当たり前」「繋がらない場所があったら使い物にならない場面がある」時代です。楽天が経営的にこの問題を乗り越えられるのか、今後の状況を注視していきたいと思います。

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