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チャタリングが嫌で脱ロジクール。マウスを「MadCatz R.A.T DWS」に乗り換えた話(ワイヤレスゲーミングマウス)

 last update 2022年5月3日

最近、マウスの脱ロジクールに成功したので、レビュー、というか雑記を書いておきます。

乗り換え先は「MadCatz R.A.T DWS」。ゲーミングブランド「MadCatz」のワイヤレスゲーミングマウスです。

使い始めて9ヶ月になりますが、多分、このマウスのユーザーは少ない気がするので、僕の考えた事や使用感などを書いておきます。

(※ この記事は2021年秋に公開し、その後、加筆しています。当初、単3充電池が使えると記載しましたが、低電圧のため相性問題が出る場合があるためオススメの充電池を追記。)

事務用途で安定性を重視しつつも、トラッキング性能もゲーミングレベルじゃないと気が狂いそうになる、そんな人向けの記事です。

ロジクールじゃない選択肢を探していた

長い間ロジクール党だった僕ですが、MX Master や MX Anywhere シリーズがどうにもしっくり来ず、紆余曲折を経た結果、無線マウスは「MadCatz R.A.T DWS」を常用するに至りました。

ロジクール製品は今でも嫌いではありませんが、伝統的に動作が安定しないサポートソフト(キーボードの話で恐縮ですが、CRAFT+Logicool Options のアプリ単位のカスタマイズ機能とか、まともに動いている人っているんでしょうか)。3年→2年に短縮された保証期間。年々上がる価格。保証期間が終わると壊れるタイマー。ブリーディングだか加水分解だか知りませんがベタベタ化するラバー。そして、ゲーミングマウス好みのユーザーには濃すぎる独特の操作感の味付け。

そろそろロジクールじゃなくても良いんじゃないか。ここ数年、そんな頃合いだと感じていたわけです。

ロジにはロジの強みがあるのでディスりたい訳でも無いのですが、合う合わないの問題ってのはありまして。僕は、ロジのゲーミング向けでない事務向けマウスの、あの我慢ならないモッサリ感がどうにもダメで。慣れようとしても、最後まで自分の手足にはなってくれない。結局、ゲーミングマウスじゃないと話にならない。

じゃあとロジのワイヤレスゲーミングマウスも買ってみるわけですが、運が悪いのか環境が悪いのか、あっという間にチャタリングを起こしては修理・手放す、を繰り返して、とにかく安心して使えない。

G Pro とかのレビューを見ても、未だにチャタリングが解消されていない様子だし、あの地獄を1回や2回じゃなく体験した身からすると、なかなかもう一度、ロジのワイヤレスゲーミングマウスを買う気は起きなくて。(面白いことに、ロジの事務向け無線マウスではチャタリングを経験したことが無いんですが)

いやね、チャタリングって一度起きるとドチャクソ時間を喰うんですよ。「あれ、今、何かおかしくなかった?」から「完全解決」するまでにけっこうな時間を浪費しちゃう。

そんなこんなで、色々検討した結果、「MadCatz R.A.T DWS」 に辿り着いた、というわけ。

僕が「MadCatz R.A.T DWS」に辿り着いた理由

「MadCatz R.A.T DWS」の存在を知ったのは2021年春。半導体不足の影響から国内販売は2021年6月までずれ込んだようで、僕が買ったのもその頃。

僕が「MadCatz R.A.T DWS」を選んだ理由はこんな感じ。

  • チャタリング対策と反応速度を両立した「Mad Catz DAKOTA テクノロジー
    (※ ホイールクリックは「Mad Catz DAKOTAテクノロジー」非対応)
  • バッテリーが単3電池。交換可能
  • ブリーディング・ブリードアウト(≠加水分解)しそうなラバーパーツが無い
  • 水平スクロールなどに使える「バレル」を搭載(通常のホイールとは別にある)
  • 耐久回数6,000万クリックの高耐久スイッチ
  • Bluetooth・2.4GHz の両対応のワイヤレス接続
  • DPIを一時的に下げる「プレシジョンエイム」ボタン

中でも大きいのはチャタリング対策。無線ゲーミングマウスで、本当にチャタリングしないのか、は年単位で使わないと不明も、とりあえず、製品仕様としてコレを謳ってくれているのはデカいし、9ヶ月使った今でもメインボタンのチャタリングは未経験。

ある日突然、マウスがまともに動かなくなる、そんな恐怖と無縁というなら、そんなに嬉しいことは無いわけです。

(※ ホイールの耐久性は一般的なゲーミングマウスと同等なようです)

電源を切り忘れても数日は問題ないバッテリー持ちの良さ。充電池は1.5Vタイプがオススメ

実際に使って驚いたのは、このマウス、ワイヤレスゲーミングマウスなのにバッテリーの持ちがとにかく良い。

以前と比べてバッテリーの持ちが改善されている最近のゲーミングマウスですが、こいつは単3電池で容量に余裕があるせいか、2.4GHz 帯で最大200時間、Bluetooth 接続なら最大300時間も持つ。

計算上、丸1週間、寝ずに使えるってんだから、こいつのバッテリーの持ちは規格外。しかも、これでちゃんとゲーミングマウスなんだぜ?

このマウス、低電圧だと動作が若干不安定になりやすいため、通常の単3充電池ではなく1.5V出力の単3リチウム充電池で運用しています。

が、今のところ電池切れは未経験。多忙で3日連続でバッテリー交換しない日もあったり、なんならマウスの電源を切り忘れる日すらあったけど、低電圧警告が出ることこそあれ、今のところ、バッテリー切れまではいってない。

このバッテリーの持ちでありながら、もちろん、ゲーミングマウスパッドを使う前提ならトラッキング性能は間違いなくゲーミングスペック。

忙しくてバッテリー交換もままならない日でも安心して使えるし、最悪、バッテリーが切れたら交換すれば良い、ってのは事務用途のゲーミングマウスとして相当な安心感と思う。

長期視点で見るとバッテリー交換が簡単って部分もかなり大きい。素人なんでウソを言ってるかもだけど、ロジのキーボードもマウスも、なんだかバッテリーがヘタると変な動きをしてる気がして仕方がなくてですね。(単にスイッチ劣化と、ゲーミングマウスのスイッチ判定がシビアなせいかもだけど)

バッテリーが劣化しても交換すればいいだけだから「バッテリーが劣化したらマウスの寿命。またマウス探しの旅を強制される」心配がないのは道具として信頼できると思う。

今はマウスパッドから無線給電できるワイヤレスマウスもあるけど、可搬性・安定性とかでもうちょい様子を見たいってのもあるし、値段もまだこなれてない。

とりあえずコイツに関しては、僕が「浮気してもまた戻ってこられる事務用ゲーミングワイヤレスマウス」に必要とする要件がすべて備わっている、そんな機種だと感じているわけです。

追加左ボタンと水平バレルが秀逸な14ボタンマウス

「MadCatz R.A.T DWS」は単3電池利用ということもあって、今どきのゲーミングマウスにしてはデカくて重い部類。だけど、その分14ボタンもあるからショートカット割り当てでかなり生産性アップできる。

中でも気に入っているのは、水平スクロール用バレルと、左ボタンの左隣の追加ボタン。垂直ホイールとは別に水平バレルがあるマウスって珍しいよね。

で、僕は水平バレルにタブ切り替えのキーボードショートカットを割り当てて、あと「左ボタンの左隣の追加ボタン」には「タブを閉じる」キーボードショートカットを割り当ててます。

これがもう、ブラウザのタブ移動や整理が超速でできて便利で便利で。この2つは、他のマウスでも勝手に指が探しちゃうレベル。

ゲーム向けの多ボタンマウス、という位置付けではあるんだけども、事務用途でも当然カスタマイズの使い所はあるわけで。Excel や Google スプレッドシート使いの人とか、不毛な事務作業がかなり効率的になるんじゃなかろうか。

マウスパッド併用でトラッキング性能がアップ

購入前に注目していた DPI を一時的に低下できるボタン「プレシジョンエイム」は、事務用途では意外と使わない。

ただし、これには前提があって、僕が低DPI環境(1440p のウルトラワイドモニター)だからなのと、ゲーミングマウスパッドや相性の良いトラッキング性能が高まるマウスパッドを使っているから。

ロジの事務系マウスはそれこそどんな机でもそこそこ動く印象ですが、僕のデスクでこのマウスの性能を十分に引き出すには、ゲーミングマウスパッドがあった方が圧倒的に良い。で、相性の良いマウスパッドを使う前提なら、このマウスのトラッキング性能は十分に高い、というか素直で。

800DPI 位なら普通にピクセル単位の作業ができちゃうから「プレシジョンエイム」はあまり使わない、というワケなのです。(ごくまれにスクリーンショットを1ピクセル単位で撮る時に使うくらい)

「ピクセル単位での作業に支障がない」のは有線・無線を問わずゲーミングマウスなら大昔から当たり前ですが、その上でさらに「プレシジョンエイム」が活きるのは、スコープ使いやデザイナー、高DPI設定で使っている人なのかな、という気はします。

で、オススメのマウスパッドですが、いろいろ試した結果、執筆時点で入手可能な製品は Mad Catz 純正の「G.L.I.D.E. 19」「G.L.I.D.E. 21」「G.L.I.D.E. 38」。

別にマウスパッドまで Mad Catz にする必要はなかったのですが、汚れが簡単に拭き取れて、水洗いできて、端がキレイに処理されていて、トラッキング性能が高くて、表は程よく滑りつつ良く止まって、裏面が滑らない、という当たり前を全部満たすのを探していたら、結果、この製品になったという。

ちなみに小さめサイズの「G.L.I.D.E. 16」は材質が異なり、メンテナンス性・トラッキング性能に劣るので個人的には「G.L.I.D.E. 19」以上をオススメします。

老害なので昔の製品の話をすると、今は入手不可能な絶版マウスパッドですが、以下の製品がバキバキのトラッキング性能を出してくれる上にめちゃくちゃ滑るので本当は好みでした。手の動きが正確無比で、マウスは自分の手で止める。どれだけでも滑ってよい、という人限定ですが。

マウスとの相性が激しい製品でしたが、倉庫から5年ぶりに引っ張り出してきたら、このマウスとの相性が抜群だったので、また復活しないかなぁ。もうひと回り大きいのが欲しいんですが。

アップデートによる改善がけっこうある

以前はサポートアプリでのカスタマイズ設定のマウスへの書き込みに時間が掛かるのが難点でしたが、現在はアップデートでかなり改善しました。今は6秒くらいでマウスに設定が書き込めます。

この「ちゃんとアップデートされる」というのも意外な点で、(裏を取っていないので迂闊なことは書けないのですが)実は平滑面でのトラッキング性能もちょっと上がっている気がしていたりと、購入当初に比べて知らない間にかなりいい感じになっている、というのが正直なところ。僕の手が慣れてきただけでは無い気がしています。

派手な見た目とは裏腹。とにかく堅実な仕様のマウス

「MadCatz R.A.T DWS」は外観のデザインこそ尖っているものの、コンセプト・設計は実に「堅実」なマウス、というのが僕の印象です。

ロジクールからこの機種に乗り換えた人で、ツルツルのデスクでマウスパッド無しで使う人だと、多分、最初はイライラするであろうものの、ロジクールの殿様商売ぶりにもはや我慢ならなくなって大海原に漕ぎ出でた人や、ロジの呪縛から解放されるために努力できる人であれば、その先に「自由」が待っている。そんなマウスなのではないかと思います。

僕は、このマウスを使い込むにつれて「ロジの宗教に囚われていたのかもしれない」と、感じるようになりました。ツルツルの机でも動くこと。独特の補正。あらゆるお膳立て、そのすべてが自分を気持ちよくするために用意されていたウソであったのかも、そんな気がしたのです。

「MadCatz R.A.T DWS」 の良さは耐久性も含めたバランスにあります。だから一言で表現するのは難しい。

  • 戻るボタン、バレル、追加ボタンのなどの配置が地味に良い。多ボタンなのに操作ミスがほぼ無い筐体設計の良さ
  • 加水分解しそうなパーツが無い
  • 本体は重いが、面積を抑えたよく滑るソール
  • ボタンのカスタマイズがド安定で動く
  • 忠実な印象のトラッキング。環境によってはマウスパッドが重要
  • ホイールエンコーダーの感度が敢えて落とし気味になっていて、確実に自分の意図したカウント数でホイール操作することが前提となっている

とかとか、そういう部分。多分、こういうのって本当に伝わらない。むしろ、トラッキングやホイールの件なんかは、人によっては欠点にすらなる。だから、僕は「堅実さ」という言葉で、色々を表現したわけです。

(※ 僕は普段、マウスパッドを使わないタイプです。そのせいでトラッキング性能には不満がありましたが、純正マウスパッドを入手してからは一気に不満が無くなりました。そうしてまでワイヤレスゲーミングマウスでチャタリングから逃れたい、という事だったのですが。)

Mad Catz DAKOTA スイッチ」も、海外の某記事によるともっと反応速度が速いマウスは他にある、との検証結果でしたが、本製品はチャタリング対策と反応速度のバランスを取った実用解のようにも思えます。

この部分は後日加筆した部分になりますが、使い込んで色々と情報を集めている内に、この「DAKOTA スイッチ」というのがちゃんと新規性のあるテクノロジーであることが事が分かってきており、どこかで詳しく触れたいところではあります。

また、バッテリー交換式なのも、実利用を考えた「堅い仕様」として一貫性を感じる部分です。

車に例えると、僕なんかは「最近の車は色々な制御が入っていて、ハンドルと車輪が直接つながっているのを感じられない」と不満に思ったりもするのですが、このマウスは、そういったモノとは対照的で、自分で環境を整えることで自分のものになってゆく製品、とも感じます。

僕は、事務用マウスに安定性と堅実さを求めていて、道具の主導権を自分が握っていたいタイプです。あなたがもし、同じ価値感ならば、僕は「MadCatz R.A.T DWS」 を薦めると思います。

逆に言えば、そこの思想が合わない人。買ったらすぐに自分の体の一部になることを求める人で、このブランドのマウスに慣れていない人とか、Mac の外付けマウスの独特な加速度が心地いいタイプの人には、僕はオススメしません。

僕にとって、すでにこのマウスは「他のマウスに浮気しても安心して戻ってこられるワイヤレスゲーミングマウス」になった気がしています。だって、なにせもう1回浮気して戻ってきているんですから。

重い。でも、代わりに単3電池が使える。だから 2.4GHz 接続で200時間、Bluetooth なら300時間も持つ。それでいてこのトラッキング性能。忙しくて連日電池交換できなくても安心して使えるワイヤレスゲーミングマウス。

最初の1ヶ月半くらいは「もにょる」ところも無くはなかったですが、今では僕のメインマウスとして体の一部になってしまいました。

尖った見た目ではありますが、プロダクティビティと安定運用のバランスを考える人にオススメな堅実なマウス、と思います。

※この記事はスポンサードなしの自腹レビューです。

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