【長期使用レビュー】「Xiaomi 11T Pro」はちゃんとフラッグシップ機。音・映像に強い

last update 2021年12月17日 2:20

お小遣い不足に悩む全国のお父さん。お待たせしました!今回は、超コスパスマホ「Xiaomi 11T Pro」のレビューをお送りします。

すでに多くのサイトで取り上げられているこちらのスマホですが、発売から1ヶ月ほどメイン端末として使った僕が感じたことや、気になるカメラ機能を中心にまとめておきます。

けっこう使い込んだ後発レビュー、ということで、付属品や基本的な仕様は端折って、僕の感想を主に書いていきます。アップデート後の「MIUI 12.5」ベースでのレビューです。

ちゃんと、しっかり、フラッグシップ機

結論から書くと、「Xiaomi 11T Pro」は「ほとんどの機能がちゃんとお値段以上。一部機能はしっかりとフラッグシップ」なスマホです。

購入当初は「コスパ重視だからケチの付け所が多そうだ」と穿った見方をしていましたが、良い意味で裏切られた格好。

カメラの動画撮影性能、音質、画面の表示品質、タッチ感度、本体の質感、指紋認証、熱対策などなど、至る所で「思った以上じゃん!」「え、そこまで出来るの?」と驚かされる機種。それが「Xiaomi 11T Pro」です。

MIUI 特有の使い勝手やカメラのホワイトバランス、画面の自動明るさ調整など、多少の不満点はあるものの、それらの半分以上は設定などで緩和できるケースが多い。

そういう意味では、いかにも「Android らしい Android」と言えるし、何かあっても工夫でなんとかする、という割り切りがある人なら、「買って失敗だった」とまでは思わない機種なのではないでしょうか。

パフォーマンス問題は?

「Xiaomi 11T Pro」と聞いて、詳しい方が真っ先に気になるのはパフォーマンス問題でしょう。

本機はよく言われているとおり、確かに「Snapdragon 888 の割にベンチマークスコアが伸びない」機種です。

実際のところ、本機は少なくとも室温が高めの環境(28℃)では、初期状態のバッテリー設定である「バランス」モードのままの方が「パフォーマンス」モードよりもベンチマークスコアが伸びる傾向があります。

また、継続的に負荷が掛かる超重量級3Dゲームをプレイした場合も、「パフォーマンス」モードでは発熱が激しく、結果として「バランス」モードよりもフレームレートが落ちがちです。

「Xiaomi 11T Pro」の放熱設計は、ゲーミングスマホでない一般的なスマホとしては悪くない部類との認識ですが、発熱量や放熱効率といったハードウェア面の限界を踏まえ、使い心地を重視して敢えて、温度管理や SoC 利用率の上限設定をかなり厳しくしているのだろう、と感じるシーンは少なくありません。

またそれだけに、夏場の車のダッシュボードのように排熱が不十分な環境では、極端なパフォーマンス低下を覚悟したほうが良さそうです。

逆に、排熱ができる環境であれば、重量級 3Dゲーム「二ノ国 CrossWorld」を実際に長時間プレイした場合も、(PC+RTX3080 でも半分のフレームレートまでコマ落ちする「大規模戦闘」でさえなければ)最高設定×30fps でそこそこ快適に連続プレイできる印象。流石に多少のコマ落ちはしますが、設定を多少落とせばパフォーマンスが気になる局面はほとんどありません。

少なくとも、似たベンチマークスコアの Dimensity 搭載機よりは 3D ゲームは良く動く、という感触です。

多くの人にはこれだけ性能が出れば十二分と思いますし、Snapdragon 888 の発熱でかえって遅くなる位なら性能を落とす、というのは1つの落とし所と言えそうです。

外装・持ち心地

箱を開けて最初に驚かされたのは、思った以上の質感の良さです。

背面は柔らかな光の反射を纏った上品な仕上がり。マットな手触りでそこそこの高級感があります。

背面以外の全体の組付けや雰囲気は良質とは思いませんが、明らかに数年前の中華端末とは違うレベル。個体差もありそうですが、少なくとも、お値段分くらいの所有欲は満たしてくれそうです。

有名メーカーの売れ筋機種と比べてケースの選択肢が限られるため、その点では不利ですが、本体単体だけで見れば「この値段でこの質感なら及第点」と感じました。

さらに、ケースを付けていない「生」状態でのホールド感も思った以上。5,000mAh の大容量バッテリーということで重さ・サイズが大きめの本機ですが、持ち心地にかなり配慮した形状だなぁ、という感想。

先の「ケースの選択肢が限られる」というのは、「この持ち心地をスポイルしないケースを探すのが大変」という部分にも繋がってくるため、実使用上の評価はそこまでではなさそうですが、ともかく、本体単体での出来はお値段以上です。

「4K60fps HDR10+」動画が手ブレ補正付きで撮影できる!

次に驚いたのは、「動画の画質設定の高さ」です。

このスマホのカメラの動画撮影機能は、価格を考えたらマジで凄い。僕は趣味で動画をやっているので、この項は長くなりますが、お付き合いください。

8K 対応の Android スマホは最近では珍しくありませんが、本機はなんと、この価格で 8K24fps でなく 8K30fps、しかも HDR10 での撮影に対応。さらに、見逃されがな「手ブレ補正付きの最高画質」が 4K60fps HDR10+ というのも特筆すべき点です。

「Xiaomi 11T Pro」で手ブレ補正付きで動画撮影できる画質の一覧については、以下の記事にまとめてあります。

多くの Android 機では、手ブレ補正付きの動画撮影は最高画質が極端に落ちてしまう中、「Xiaomi 11T Pro」の「非HDR・HDR10+ のどちらでも手ブレ補正付きで 4K60fps が撮れる」というのは、スペックだけ見ればもっと注目されても良い点です。

この機種のカメラには、Samsung の「ISOCELL HM2」というミドルレンジスマホでよく使われるセンサー(撮像素子)が採用されています。

ここで注意してほしいのが、カメラの性能はセンサーだけで決まるものでは無い、という点です。最近のカメラでは画像処理プロセッサの重要度が極めて高くなっており、「Xiaomi 11T Pro」では HM2+Snapdragon 888 という珍しい組み合わせと、Android 機としては異例のかなり攻めた撮影設定により、動画の画質設定の制限が少なくなっています。

(例外はあるものの、一般的には1画素あたりの面積が狭いセンサーは、感度・S/N比では劣るものの読み出しは速かったりしますので、そういった背景もあるのかもしれません。)

とはいえ、実際の撮影では理想どおりとはいかないこともあり、「Xiaomi 11T Pro」の手ブレ補正付き 4K60fps 動画の解像感は、どちらかというと 2K に近くなるケースもあります。

このあたりは、センサーシフト式でなく電子式手ブレ補正であることも恐らくは影響していそうな予感。また、手ブレ補正利用時はそこそこクロップされるので画角は稼げません。

ちなみに動画撮影時、カメラ設定で「HDR10+」を有効にした場合、動画ファイルは Rec.2020(PQ)4:2:0 10bit で記録されます。

センサーサイズが小さい割に1億800万画素と微細化されているため、十分な光量があることが前提にはなりますが、HDR10+ で撮影した映像は意外にもカラーグレーディングの余地があってびっくり。これは動画編集をされる方なら、興味を持たれる点かも。

一方、手ブレ補正の品質はシーンによってまちまち。補正が効いているシーンはいい感じだけど、歩きながらの撮影だと晴天時の昼間でも光ブレが出ることも。じゃあ、夜はまったくダメかというとそんなこともなく、十分な街明かりがあれば立ち止まってパンくらいなら光ブレが出ないこともしばしば。

得手不得手と特性を掴むことができれば撮れ高に貢献してくれるカメラと思いますが、アクションカメラ用途に向かないのは確か。連続撮影時間も短いですしね。

夜景は写真なら思った以上に優秀。でも、動画は流石に暗所のノイズがかなり厳しい感じ。そこそこ光量がある夜の街なら、編集で暗所を黒つぶしして、時間的ノイズ補正を最強で掛け、クロマのみ空間的ノイズ補正をかなり強めに掛ければ、スマホ鑑賞用の VLOG 程度なら使えるかもしれない。暗所での動画の感度はその程度。

そこはなにせこの高画素数ですので、白飛び黒つぶれはそこそこしますし、大画面で見ればかなりノイズは乗っているので過剰な期待はしない方が吉。

60FPS での撮影に拘りたいけど、宗教上の理由から iPhone は避けたい、という人には実は使いでのある機種かもしれず。実際のところ、撮って出しよりも、ポストプロダクションで色をいじって出す人が HDR10+ で撮影した方が面白い機種なんじゃ?とは思ったりもします。

その他、これについては検証不足で多くを語れませんが、手ブレ補正OFF × 4K30fps でも良いなら、実は HDR と HDR10+ の併用も可能。スマホ用ジンバルと組み合わせて使えば、撮影道具として面白い使い方ができそうな予感もしています。

もっとも、iPhone ほど有名な機種ではないし、iPhone の ProRES ほど凄くはないので、動画編集のスキルが高い人ほど iPhone 13 Pro を選ぶ気もしなくはありませんが。

でもまぁ、iPhone だけでなく、Android での動画撮影の未来も思ったより面白い、ってのが感じられる機種なのは間違いありません。

これが本当のマクロ。「テレマクロ」がすごい

※トルコのスイーツ「バクラヴァ」。次の写真で「テレマクロ」で拡大します。メインカメラの広角レンズは自然なボケ味に注目。

カメラの世界で「マクロ撮影」といえば、通常は 70~105mm(2~3倍弱のズーム)オーバーのレンズで寄って撮るものですが、一般的なスマホの「マクロ」は広角レンズで近くにピントが合うだけ。物足らないケースが多いです。

が、この機種のカメラの「テレマクロ」モードは本物のマクロ。寄れるズームレンズで、普通のスマホでは撮れないような超拡大写真が楽しめます。

※上のスイーツを Xiaomi 11T Pro の「テレマクロ」で撮影。ここまで寄れるスマホはそうはない。

テレマクロと通常撮影の間に、画角とピントの両方がしっくりこない領域があるので、そこはモニョるポイントですが、まぁ、必要があればクロップすれば良い、という割り切りは大事。

個人的にはテレマクロより望遠レンズの方が良く使うのですが、小物のブツ撮りで大写しにしたい時には意外と使うので、好みが分かれるかもですが、なかなか面白い機能なのは間違いありません。

カメラは色温度判別が微妙?フィルターを使いたくなる

※今まで一番失敗した写真。暖色系照明下では赤が紫っぽくなることも。

HDR10+ でない普通の Rec.709 動画の色味はちょっと派手ぎみ。写真も、赤色がちょっと下品に感じることがあります。

特に、色温度低め(例:暖色系照明)だと赤色がマゼンタにシフトしやすい、とかとか、色に関してはうまくハマらない事がままある。ひょっとすると、色温度の判別が下手なのかもしれません。

自宅の照明が暖色系のお宅だと、食べ物はちょっと見栄えがしないことも。(MIUI 12.5 でちょっと改善した気もしますが。)

色味に関しては豊富なフィルターや AI 機能で取り繕うことができなくもないですが、画像の情報が失われている気がするので修正には限界があります。フラッグシップ機という位置づけで売るなら、ここはちょっと残念な点かもです。RAWで撮らせてほしかったなぁ。

ただ、色温度が普通なシーンなら思った以上に撮れるし、画素数が多いから夜景は苦手かと思いきや、(写真なら)思った以上に夜景がキレイに撮れるのも良いところです。もうこれでいいじゃん。というシーンは本当に多い。

総評としては、カメラは写真よりも動画の方が僕の評価は高い機種、という結論。

写真は値段なりかそれ以上の画質。動画は HDR10+ で撮影する前提なら、ダイナミックレンジと手ブレ補正の品質以外は1.3倍の値段出しても惜しくない良画質、という評価です。

HDR10+ 素材をカラグレすれば、ギリ、シネマティック VLOG とか行けるんじゃなかろうか。TikTok とかならこのカメラで十分と思う。

画面の色域もなかなかのもの

HDR10+ 動画を撮っていて気がついたのは、6.67 インチ有機EL画面の表示品質と色域の広さ。

カメラ周りの説明が長くなってしまったのでここからは駆け足で紹介させてもらいますが、HDR 動画が異常に綺麗だったので調べてみたところ、なんとこの機種、ディスプレイ評価サイトの「Display Mate」での評価が「A+」。

格安スマホを買ったとばかり思っていたので、これは嬉しい誤算でした。画面は本当にキレイです。

スピーカーも結構鳴る。カーナビでも不満のない大音量

スピーカーも Harman Kardon 監修ということでなかなかの出来。画面の上下にスピーカーが配置されているため、横画面にすると音の広がりも楽しめます。

先日、iPhone 使いの嫁さんとお互いの端末で LINE Music を聞いていた際も、嫁さんの iPhone 12 Pro よりはいい音が鳴っている、との印象でした。(僕の主観。好みによると思います)

また、安価な Android スマホとしては音量もかなり出る部類。低音のブーストが良く効くので、カーステレオに繋がなくても Google マップナビの案内がばっちり聞き取れる音量でした。

意外と使える「ゲームターボ」機能

最近のスマホにはたいてい付いているゲーム最適化機能。Xiaomi 11T Pro では「ゲームターボ」という機能名で搭載されています。

プレイするゲームアプリによってはあまり使わないかもですが、僕の場合、これに助けられたので紹介しておきます。

というのも、自宅の無線LANを Wi-Fi 6 にしてからというもの、どうやら独自の UDP を投げるクセにパケット再送処理がヘボい一部のゲームが良く固まる気がしてしょうがなくてですね。

でも「Xiaomi 11T Pro」では、ゲームターボの設定で Wi-Fi 低遅延モードの OFF / ON が出来る、ってことで、そのゲームをプレイする際は「Wi-Fi の最適化」を OFF にすることで安定性が増している感じ。

あと、タッチレスポンス・感度をアップできる機能もあるので、この辺も ON にして使っています。

このほか、ゲームターボ機能をONにしたゲームでは画面の録画やボイスチェンジャーが使えるのもポイント。

僕はスマホのボイチャをほとんど使わないので実用性は不明ですが、他媒体ではあまり紹介されていない機能だったので、触れておきました。

Felicaは全く問題なし。むしろ使いやすい

Xiaomi 端末初の「おサイフケータイ」対応機種、ってわけでもありませんので、Felica も特に問題なく使えます。

毎日使っていますが QUICPay、Suica など、使えなかったり時間が掛かりすぎて困ったことはありません。むしろ、Felica のアンテナが角にあるのでかざしやすいくらいです。

その他(バッテリー、指紋認証、望遠)

その他の基本機能はひととおり不満は少ないので、後発レビューとしては触れるまでもないかな、と思いますが、最後に4点だけ。

1つ目は、バッテリーの持ちに関して。これは 5,000mAh のバッテリーってほどは持たない印象。とはいえ、困るほどでもないかな。

夕方、ピクミンブルームの花植えを開始して終電まで歩いてたら、かなりバッテリーが心許なくなりました。

特に、なんらかの負荷が掛かってる状態だと、思ったよりも少し多めにバッテリーが減る印象です。

2つ目は、指紋認証。これは素晴らしい。「Xiaomi 11T Pro」ではサイドの電源ボタンに指紋リーダーが内蔵されていますが、認識も速いしボタンの配置も良い。

これはアクロバティックな使い方だから指紋の登録の仕方にコツが要る話にはなるんですが、スマホスタンドや平置き状態から持ち上げる時用に、左手の親指や右手の人差し指を登録しておくと、自然とスマホを持ち上げるアクションの中で指紋認証できるのでメチャクチャ使いやすい。

ただ、この使い方だと指を横向きで認証するからか、たまに認証に失敗することがあるので、次期機種ではこの方法での認識精度をアップしてくれると凄い嬉しい。

3つ目は、高温環境下でのパフォーマンス低下問題。秋〜冬に発売されたモデルなので、今のところ問題になっていないけど、11月の暑い日、車のダッシュボードに置いておいたら動きがかなりカクカクになった記憶が。

ピクミンブルームのパフォーマンス問題のせいとか、MIUI が 12.5 にアップデートされる前だった、とかとか色々理由がありそうなので絶対にそうなる、とは言いませんが、来年の夏場、位置情報ゲームなどで炎天下に持ち出す方や、お風呂で使う機会が多い方は、冷却方法やゲームの画質設定、パフォーマンス低下の許容などの対策を検討したほうが良さそうです。

4つ目は、カメラが望遠に弱い、という点。最近のフラッグシップ機は望遠レンズを搭載しているケースが珍しくなく、かなり遠くの被写体でもキレイにズームで寄れますが、この機種は広角・超広角・テレマクロの三眼構成となっており、望遠レンズは非搭載です。

「1億画素超えの高解像度だから、後からクロップできる」と書く記事も多いのですが、やはり、光学ズーム搭載機種と比べれば望遠は弱いと言わざるを得ないですし、個人的にはテレマクロよりも望遠の方が良く使うので、その点は不満と言えば不満。ただまぁ、そこは特徴といえば特徴とも言えるわけですが。

ということで、他メーカー機からの乗り換えには慣れの時間が必要ですが、僕の場合はどうしても 4K60FPS × 手ブレ補正 の動画を Android で撮りたい、という理由で Galaxy からの乗り換えにまぁ成功。

逆に、次の買い替えでは動画の撮影設定を落としたくないので、機種選定に困らないか心配している状況ではあります。

万人におすすめできるとは言いませんが、根気よく使いこなそうとする人や、安価な Android 機でも動画撮影を楽しみたい方なら、最低でも価格分くらいは報われる機種と思います。

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