メルカリで浄水器のフィルターを買ったら偽物だった話

 last update 2022年5月28日

フリマアプリ「メルカリ」で、浄水器のフィルターカートリッジを買ったらなんと粗悪品(偽物)だったので、注意喚起しておきます。

なお、ここで取り上げているのはあくまでも「偽物の一例」です。偽物を判別する方法、という位置付けの情報ではないので、注意して読み進めてください。

メルカリで3~4割も安く出品されていた「偽物」

我が家では3~4ヶ月に1回、浄水器一体型水栓のフィルター「JF-20」を交換しているのですが、いつもなら楽天市場の住宅設備系ショップで買うところ、なんと「メルカリ」で激安品を発見。

楽天の最安値は税込・送料込7,500円くらいなのに、なんと、メルカリでは5,000円前後と3~4割引きで出品されているではありませんか。

この出品者は LIXIL(INAX)の浄水フィルターを大量出品してはいるものの、評価は良好。その日はちょっとバタバタしていたこともあり、あまり深掘りせずに購入してみたところ、届いたのがこちら。

※上が偽物、下が正規品。偽物は箱が汚れていた。

もうのっけから箱が薄ら汚れているわけです。

こちらは横から見たところ。偽物は箱が明らかに歪んでいます。実は正規品にも多少の歪みはあるのですが、偽物は歪みの度合いが大きかったです。

※左が偽物、右が本物。偽物は箱に歪みが多く、組付けが悪い。

で、極めつけがこちら。偽物は灰色部分の印刷にモアレ(干渉縞)が発生していました。

※上が偽物、下が本物。偽物は灰色部分にモアレが発生していた。

(WEB の技術的な理由から)本物・偽物の違いが伝わりにくいので、1枚ずつ等倍画像を載せておくと、まず、こちらが偽物。

で、こちらが本物。

パッと見で「コピー or スキャンしたな?」と感じる印刷品質でした。

箱の中身もけっこう違いがあり、本物は緩衝材に巻かれているのに、ニセ物は緩衝材なしで本体のみ。

※本物は箱の中に梱包材が封入。

外袋の印刷品質はかなりよく見ないと差が分かりません。偽物(上)は若干印刷が不鮮明で薄かったです。

※上が偽物。下が本物。内袋の印刷品質に差はほとんどない。

そして、肝心のフィルター本体も見た目がけっこう違いまして、偽物(左)は全体的に明らかに白っぽい色。メルカリでは外箱なしでの出品も散見されますが、これだけだと偽物かどうかの判断は難しいかもしれません。

とりあえず、ここまでチェックして「まず間違いなく模造品だろう」との判断に至り、メルカリ運営に通報。返品の上、取引をキャンセルするよう要請。クレカ決済した代金は返金され、返送料はメルカリが補填する形で取引キャンセルとなりました。

ただ、この出品者は「正規品」として偽物を販売していたことから詐欺的行為である上、また、同様の商品を繰り返し出品していたことから営為として仕入・販売しているとみられ、商標権侵害行為が疑われる事案であるとの認識です。

この件は取引キャンセルとなったため、その後の処遇については検討中ですが、商標権侵害は懲役刑と罰金刑が両方課せられる可能性のある悪質な行為であり、ずいぶんと不要なリスクを取る方だなぁ、との印象を受けました。

なお、意図的かどうかは不明も、取引連絡の日本語が不自由だったり、発送元と返送先とが 1500km 以上も離れている不自然さも印象的。その他にも、返送先住所の連絡が来るまで1週間近く要したりなど、恐らくは怪しい仕事をしているという自覚がありそうな雰囲気をそこここで感じました。

メーカーも注意喚起。被害はメルカリだけじゃない

と、ここで妻に相談してみたところ、住宅設備メーカーの「LIXIL」が公式に注意喚起していることが判明。

LIXIL によると、フリマ、オークションサイトだけでなく、大手有名ショッピングサイトでも粗悪品(偽物)が販売されているケースが報告されているとのこと。

「ネットの西成」などと陰口を叩く向きもある「メルカリ」ですから、そんなところで買ったのが悪かったのか、とも思いましたが、改めて他のサイトも覗いてみると、(写真に偽物特有の特徴がある)怪しい出品が大量に出てきました。

また、某大手有名ショッピングサイトのレビューでも「偽物が届いた」との報告が上がっていることから、ネットで安心して購入するのが難しい商品となっている実情が明らかに。

今回は改めて、いつもお世話になっている LIXIL の正規代理店で本物を買い直しましたが、メルカリの出品・レビューを眺めていると、恐らくは偽物と知らずに買っているとみられる方も少なくなく、飲用に供する器具であることから、できるだけ正規品を買ったほうがいいんじゃ?とは感じるところです。

メーカーとしてもなかなか対策が難しいそうなので、消費者側が正規販路で入手するよう心がけるのが一番なのかなぁ、と思いつつも、カートリッジがもうちょっと安くなるだけで状況が大きく変わりそうな気もするなど、複雑な思いもあるにはあります。

ちなみに今回の偽物、なかなか良くできた代物でして「悪い奴らも工夫するものだなぁ」と感心するのと同時に、「バレなきゃOK」「捕まらなければOK」みたいな連中の多さに世を嘆いたのでした。

いやね、本当に気をつけないとイカンですよ。こういう悪事との戦いは意外と時間を取られますしね。今回、問題がキレイに解決したので公表しましたが、経験上、こういう倫理観の人間は逆恨みしやすいので、間違っても直接顔を合わせないようにしないといけません。

(この記事は2022年5月に執筆したものです。)

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